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MLB

「ポストシーズンの名場面を"お膳立て"した選手たち」をMLB.comが特集!元巨人のグラッデンが放った気合の二塁打も選出

2020.04.10

メジャー通算222盗塁、俊足のリードオフマンとして活躍したグラッデンは、巨人時代にもヤクルトとの乱闘事件で話題を振りまいたように、闘志あふれるプレーが身上だった。(C)Getty Images

メジャー通算222盗塁、俊足のリードオフマンとして活躍したグラッデンは、巨人時代にもヤクルトとの乱闘事件で話題を振りまいたように、闘志あふれるプレーが身上だった。(C)Getty Images

 MLBのポストシーズンでは、これまでにいくつもの名場面が生まれてきたが、そこには必ずその"お膳立て"をした選手がいる。たとえば2004年のア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、0勝3敗と大手をかけられたレッドソックスが逆転4連勝で勝ち抜くきっかけを作ったデーブ・ロバーツ(現ドジャース監督)の代走盗塁は、ケビン・ミラーがそもそも四球で出塁しなければ生まれなかった。

 このたび、MLB.comはそんな名場面をお膳立てした選手たちを"テーブルセッター"と名付けて特集。その中には1994年に巨人でもプレーした助っ人外野手、ダン・グラッデンも選ばれている。

 グラッデンが"テーブルセッター"に選ばれたのは、91年のワールドシリーズ第7戦でのプレー。この試合はツインズの先発ジャック・モリスと、ブレーブスの先発ジョン・スモルツがともに好投。試合は投手戦の末に0対0のまま延長に突入し、10回裏に一死満塁で代打のジーン・ラーキンがサヨナラタイムリーを放って決着したのだが、その時ホームを踏んだのがグラッデンだった。この回の先頭打者だった彼は、バットを折りながらも見事な二塁打を放ってサヨナラの"お膳立て"をしたのである。
 
 また、01年のア・リーグ地区シリーズ第3戦でデレク・ジーター(ヤンキース)が見せた絶妙な中継プレー、"ザ・フリップ"については、意外な"テーブルセッター"が挙げられている。ジーターのチームメイトではなく、対戦相手だったアスレティックスのアート・ハウ監督、そしてジーターの送球によってホームでアウトになったランナーのジェレミー・ジアンビだ。

 ジアンビはそれまで1回も盗塁を決めたことがなかったほどの鈍足。もしハウ監督がもっと足の速い選手を代走に送っていれば、ホームでセーフになっていたかもしれない。ジーターの好プレーは、ジアンビの足とハウ監督の采配あってのものだった……という理由だ。

 現役選手では唯一、ロレンゾ・ケイン(ブルワーズ)が選ばれた。彼が"テーブルセッター"となったのは、ロイヤルズ時代の15年のワールドシリーズ第5戦。3勝1敗と大手をかけて迎えたこの試合、ロイヤルズ打線は8回まで、メッツの先発マット・ハービーの前に無得点と沈黙。2点ビハインドの9回表、反撃の狼煙を上げたのが先頭打者のケインだった。四球で出塁したケインはすぐさま盗塁を決め、次打者エリック・ホズマー(現パドレス)の二塁打で生還。この回さらに1点を追加して同点としたロイヤルズは、延長12回に勝ち越しに成功し、見事30年ぶりの世界一を成し遂げたのである。

 特集では他にも、51年のナ・リーグ優勝決定シリーズにおけるボビー・トムソンの逆転サヨナラ3ランや、75年のワールドシリーズにおけるカールトン・フィスク(レッドソックス)のサヨナラ本塁打など、さまざまな名場面の"テーブルセッター"について言及されており、野球がチームスポーツであるということを実感させてくれる特集となっている。

構成●スラッガー編集部

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