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「韓国は先を見越した行動をしているが、アメリカは…」韓国野球を経てMLB復帰の右腕がコロナ対策の違いに言及

2020.04.15

韓国野球を経験したからこそ、リンドブルームは米国のコロナ対策に一言注文をつけている。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大に収束が見えないアメリカ。メジャーリーグ開幕の見通しは立っておらず、先日報じられたキャンプ地での特殊フォーマットによるシーズン案も、観測気球の域を出ていない。

 しかし、アメリカをはじめとする各国のプロ野球が停止している中、台湾では12日に世界最速の開幕を迎えた。そして、新型コロナウイルスの封じ込めに成功しつつある韓国でもまた、韓国プロ野球(KBO)は21日からの練習試合再開を決定。5月初旬の開幕に向けて大きく前進している。

 果たしてなぜ、"世界最高"のプロリーグであるMLBが開幕できず、"世界3位"のKBOが先んじて動き出せるのか。その理由について「文化の違い」を指摘しているのが、KBOで計5年プレーし、今季からメジャーに復帰を果たした右腕、ジョシュ・リンドブルーム(ミルウォーキー・ブルワーズ)だ。
 
 新型コロナウイルスに関して地元紙『ミルウォーキー・ジャーナル・セントラル』から取材を受けた右腕は、「韓国の人たちは先を見越した行動ができるんだ。でも一方で、アメリカでの予防策の多くは後手後手だ」とコメント。

 さらに、リンドブルームは言う。「韓国では、どんなことにも気が利いている感じだ。それが韓国人の生活様式なんだよね。一つマスクを例にとってみてもそう。韓国人が常日頃マスクをしているのは、自分たちが病気になりたいからではない。他人が病気になるリスクを冒したくないからだ。彼らは第一に周りの人間のことを考えている」。

 リンドブルームは、自分は文化研究の専門家ではないとしながらも、そうした性格面が新型コロナウイルス感染拡大の防止につながっているのではと指摘。また右腕は、今後のメジャーの開幕について、無観客試合での開催が濃厚とも言われているが、「僕たちが野球をしているのはファンのため。僕たちも野球をするのが大好きだけど、同時にエンターテイナーでもある。ファンと交流するのが大好きなんだ。もしファンが球場に来れないのなら、多くの試合はやらないほうがいいと思う」と持論を展開した。

構成●SLUGGER編集部

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