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「マエケンのデビュー戦本塁打」「イチローの3000本安打」――2010年代の日本人メジャーリーガー名場面トップ10をプレイバック!

2020.04.20

マエケンはまさかの"打者"としてのランクイン。それだけデビュー戦の本塁打は衝撃だった。ちなみに日本では通算2本塁打を放っている。(C)Getty Images

 2010年代、計30人の日本人選手がMLBでプレーした。全員が活躍したわけではないが、瞬間瞬間で輝きを放った場面は数多くあった。10年代を彩った日本人メジャーリーガーの名場面をランキングで振り返ろう。

▼10位 マエケンがデビュー戦で本塁打
 「本当に衝撃的だった」(クレイトン・カーショウ)。前田健太のデビュー戦は、投球以上に打撃でインパクトを与えた。開幕3戦目の4月6日、敵地ペトコ・パークでのパドレス戦で初陣を飾った前田は3回0封、チームも4点を援護した。4回に第2打席を迎え、2球で追い込まれたが、スライダーを完璧に捉えると打球はぐんぐん伸びて左翼席へ。本人も目を丸くするデビュー戦での一発は、このシーズンのチーム1号。チームメイトから手荒く祝福されながらも、満面の笑みを浮かべていた。

▼9位 一発勝負の土壇場で青木宣親が技ありの一打
 10年代屈指の好ゲームに挙げられる、14年9月30日のロイヤルズ対アスレティックスのワイルドカード・ゲーム。この熱戦の勝利に一役買ったのが青木宣親だ。6対7の9回裏1死二塁、ジャロッド・ダイソンが三盗を決めると、2番の青木が右翼へ犠飛。追いついたロイヤルズは延長12回にサヨナラ勝ちを収め、そのままリーグ優勝へ駆け上がった。土壇場で"最低限"の仕事を完璧にこなした技ありの一打は、"スモールベースボール"は何たるかを体現していた。
 
▼8位 「I am Japanese!」川﨑宗則がトロントの英雄に
 敬愛するイチローとはまったく違うベクトルだが、川﨑もまた不世出の存在と言えるかもしれない。

 彼の名を一躍知らしめたのが、13年5月26日のオリオールズ戦だった。9回裏に逆転サヨナラ二塁打を放った川﨑は、ヒーローインタビューでカンペを片手にアナウンサーからマイクを奪い取って「アイ・アム・ジャパニーズ!」と絶叫。真面目でおとなしいという日本人像を根底から覆した川﨑は、その後もMLBネットワークのトーク番組に出演するなど、「とにかく明るいムードメーカー」として人気を博した。

▼7位 "神の子"マーくん、大一番で最高のピッチング
 田中将大は10月になるとギアを上げる。プレーオフで数々の好投を演じてきた中で、特に印象深いのが、17年のインディアンスとの地区シリーズ第3戦だ。

 前年のリーグ王者に0勝2敗、後がない状態で迎えたこの試合で、田中は相手打線をまったく寄せつけず7回3安打無失点の好投。1対0で薄氷の勝利を手にしたヤンキースは3連勝でシリーズを突破した。プレーオフ通算成績は8登板で5勝、防御率1.76。秋の田中は"神の子"としてニューヨークに君臨する。