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大学野球

首都大学リーグの“ドラフト候補生“!東海大を牽引するWエースを紹介

大友良行

2020.04.21

山崎(左)はキレのあるスライダーとストレートで三振を獲れる右腕。小郷(右)は「即戦力のリリーフ投手」とプロのスカウトたちが評価する逸材だ。写真:大友良行

山崎(左)はキレのあるスライダーとストレートで三振を獲れる右腕。小郷(右)は「即戦力のリリーフ投手」とプロのスカウトたちが評価する逸材だ。写真:大友良行

 新型コロナ感染症の猛威は、首都大学リーグにも影響を及ぼしている。

 全国に「緊急事態宣言」が発令されたこともあり、同リーグは開幕を6月21日まで延ばした。1試合総当たりの勝率制で優勝を争うことになるが、今後の状況によっては、再延期、中止もあり得るという。

 そんな状況下で、ドラフト候補たちはプロへの想いを胸に、気持ちを切らさず、じっと耐え忍びながらマウンドに立つ日が来るのを待ち望んでいる。今回は東海大のWエースを紹介しよう。

●山崎伊織(東海大/投手)
181㎝・70㎏、右投左打、兵庫県出身、明石商高
 一見細身だが最速153㎞を投げる本格派右腕。スライダー、カットボール、スプリット、チェンジアップ、ツーシームなど変化球も多彩で、伝家の宝刀と言われるキレのあるスライダーとストレートで三振を獲れるのが大きな魅力だ。

 気になるのはケガが多いこと。中学1年で膝を手術し、中3で疲労骨折。高3春には、右肘を痛めてしまった。選抜甲子園では、ベスト8まで勝ち上がったが登板はなく、3試合とも投げたのは、同学年のドラフト候補・吉高壮(日体大4年)だった。最後の夏も、マウンドには上らず、外野で.429と打ちまくった。

 大学1年時は、まだ肘が治りきっていなかったため、大事を取って1球も投げなかった。リーグ戦初登板は2年春から。5試合で26回2/3、3勝0敗、防御率0.68で華々しくデビューすると、3年春は3勝1敗、奪三振24とMVPで優勝に貢献。6月には、全日本大学選手権で4試合中3試合15回を投げ、奪三振18でベスト4に導き、続く日米野球日本代表にも選ばれた。昨秋は5試合で4勝0敗、44回奪三振43、防御率0.20、最優秀投手賞とベスト9を手にした。
 
 安藤強監督は、山崎の投球を次のように分析する。

「コントロールはいいし、縦のスライダーと153㎞のストレートで言うことなし。経験を積み重ねて順調に伸びてきています。後はフォロースルー後の腕の逃げ場所を探しています。残った課題は、腕にすべての負担が掛かり過ぎるのを改善するぐらいでしょう」

 完成度の高さをそう称える。ケガが多いので対策も立てている。

「今冬に靭帯がおもわしくなかったので、PPP注射か、トミー・ジョン手術か迷っていましたが、手術だと完治まで1年半近くかかります。プロに行かせたいので注射を選択しました。体づくりを再スタートさせ、投げさせたい気持ちを我慢させ、夏までのメニューを作り上げました」

 また、「コロナの影響で今は実家に帰していますが、最低限のランニングとウエイトを命じています」という。

 今秋のドラフトNo.1投手は6月のリーグ戦に間に合わなくても、8月の大学選手権にはマウンドに立つ計算だ。
 

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