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無観客ならワールドシリーズ優勝記念式典は無期限延期…「ファンと一緒に喜びを分かち合いたい」ナショナルズGMの思い

宇根夏樹

2020.04.23

昨年、ナショナルズが悲願のワールドチャンピオンを達成した直後のパレードには、80万人近くものファンが参加した。(C)Getty Images

 本来なら今頃、ナショナルズ・パークにはすでにワールドシリーズ優勝のバナーが掲げられているはずだった。この球場をホームとするワシントン・ナショナルズは、昨年、ホームで行われたワールドシリーズ第3~5戦にすべて敗れたものの、アウェーの第1~2戦と第6~7戦に勝利を収め、球団初のワールドチャンピオンに輝いた。今シーズンはホーム開幕戦の4月2日に優勝バナーの掲揚と優勝リングの授与が行われることになっていた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でシーズン開幕は無期限の延期。もちろん、優勝リング授与式もまだ行われていない。ただ、シーズンが始まり、アリゾナとフロリダ、テキサスの3州限定ではなく、ナショナルズ・パークで試合を行ったとしても、セレモニーを開催する条件が整うわけではない――。少なくともマイク・リゾーGMはそう考えているようだ。
 
 4月18日、MLBネットワークのラジオ番組に出演したリゾーGMは「バナーの掲揚とリングの授与については、ファンが参加できるようになるまで待つ。一生に一度のことかもしれないし、優勝できたのはファンがいたからこそ」と語った。無観客試合の場合はセレモニーをせず、観客を入れて試合を行えるようになってから、開催するということだろう。

 リゾーGMの言うとおり、選手とファンが球場でワールドシリーズ優勝の喜びを分かち合う機会は、そうそう巡ってくるものではない。そもそも、MLB全30球団のうち、まだワールドチャンピオン経験がないチームが6つもある。また、残る24球団の中で最も頂点から遠ざかっているクリーブランド・インディアンスの最後の世界一は72年も前のことだ。シカゴ・カブスのように100年以上もブランクが空いた例もある。