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MLB

なぜレッドソックスへの処分はアストロズより軽かったのか。コミッショナーは球界浄化への強い意志を示すべきだった?

2020.04.25

マンフレッドは球界のトップに立つコミッショナーとして、強い姿勢を押し出すべきだった。(C)Getty Images

マンフレッドは球界のトップに立つコミッショナーとして、強い姿勢を押し出すべきだった。(C)Getty Images

 4月22日、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッドはボストン・レッドソックスがワールドシリーズ制覇を果たした2018年にサイン盗みを行っていたと断定し、ペナルティを科した。だが、この処分が軽すぎるとファンやメディアから批判の声が出ている。

 2017~18年にかけて同じようにサイン盗みをしていたヒューストン・アストロズとレッドソックスへの処分を比べると以下のようになる。

アストロズ
・罰金500万ドル
・ジェフ・ルーノーGMに1年の職務停止
・AJ・ヒンチ監督に1年の職務停止
・2020~21年のドラフト1・2巡目指名権剥奪

レッドソックス
・アレックス・コーラ監督に1年の職務停止
・映像分析担当の球団職員JT・ワトキンスに1年の職務停止
・2020年ドラフト2巡目指名権剥奪
 
 こうして見ると、確かにレッドソックスへの処分は軽い。感覚的には「半分以下」といったところだろうか。だが、(少なくともこれまで明らかになった事実を元にする限り)両チームの処分に違いがあるのは当然とも言える。2つの観点から考えてみたい。

●サイン盗みの頻度・度合い
 MLB機構の調査によると、レッドソックスはワトキンスが相手チームのサインを解析し、一部の選手に伝達。その選手が二塁に出た時にジェスチャーなどで打者に伝えていた。

 だが、当然のことながら、このやり方は走者が二塁に進まない限り機能しない。MLB機構のレポートで指摘されているように、18年のレッドソックスで走者二塁のシチュエーションは全打席の19.7%に過ぎなかった。さらに、ワトキンスがサインを伝達していた選手も一部に限られていたため、サイン盗みが起き得る場面はさらに少なかったと考えられる。
 

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