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高校野球

「サイン盗み」は対岸の火事ではない! 高校野球で見え隠れする“勝利至上主義”の害悪

氏原英明

2020.04.27

昨年のセンバツ、星稜対習志野戦でも「サイン盗み」が話題になるなど、メジャーだけの問題に話はとどまらない。提供:朝日新聞社

昨年のセンバツ、星稜対習志野戦でも「サイン盗み」が話題になるなど、メジャーだけの問題に話はとどまらない。提供:朝日新聞社

 海の向こうで、「サイン伝達」がまた騒ぎ始めている。  先日、MLB機構は2018年の世界一チーム、ボストン・レッドソックスのサイン盗みについて処分を発表。彼らが行っていたとされるのは、特定の選手...
 海の向こうで、「サイン伝達」がまた騒ぎ始めている。

 先日、MLB機構は2018年の世界一チーム、ボストン・レッドソックスのサイン盗みについて処分を発表。彼らが行っていたとされるのは、特定の選手が二塁到達時に相手バッテリーのサインを打者に伝えていたというものだった。しかし、その前に処罰が下されたヒューストン・アストロズに比べて量刑は“緩く”、その刑の重さに対しての意見が分かれているのだ。

 どこまでが許されて、どこまでが許されないのか。

 セカンドランナーがキャッチャーのサインを見ることは避けられない。しかし、それを伝えるという行為がスポーツマンシップとして正しいかどうかは論じるべきでろう。

 件のニュースを眺めていると昨年、日本の高校野球でも話題になった「サイン伝達騒動」を思い出した。昨春のセンバツ、星稜高(石川県)と習志野高(千葉県)の試合後のインタビューで、星稜の林和成監督が習志野のサイン盗みを指摘。その後、相手校の控え室に怒鳴り込んで抗議したという騒動があった。

 結局、事実の裏付けはなくこの問題は沈静化したが、長く高校野球を取材していると、サイン伝達の疑いがあるチームはたくさんある。
 
 例えば、京都外大西高の監督を務めていた三原新二郎氏がある大会の試合後、延長戦の末0−1となった善戦の理由を尋ねられると、こう語ったものだった。「相手校はどこで誰が見ているか分からないから、1回から最後までバッテリーには異なるサインを出すように指示した。一回も同じサインは出させていないはず」。

 また、2013年の夏を制した前橋育英高は、遊撃手をセカンドランナーの前に立たせることで「サイン盗み封じ」を敢行。髙橋光成(現西武)の好投をアシストして頂点に立っている。荒井直樹監督は、この時のことをこう振り返っている。

「サイン伝達に関しては、自分たちはやりませんが、盗まれる方が悪いと考えています。だから、“試合で勝つためにはやらなければいけないこと”として対策を考えました。試合を進めていくと、審判から『走塁妨害だ』とも言われたのですが、そこでも引き下がらずに意見を言いました」

 高校野球でも、やはりサイン伝達が行われている可能性は高い。ただ、この問題が難しいのは、サイン伝達の証拠は、同じチーム内から告発でもない限り、発覚することはない。疑惑はあっても、それを事実と特定することが難しいのである。
 
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サイン盗みはスポーツの「本質」から離れるもの

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