「選手は勝手に育つものだと思っています」(オリックス・田口壮野手総合兼打撃コーチ)
田口は、日本一とアメリカ両方で頂点に立った最初の選手だ。日本では1996年にオリックスで日本一、メジャーでは2006年にカーディナルスで、08年にはフィリーズでワールドチャンピオンを経験している。
だが、02年にカーディナルスへ入団した時、田口の前には大きな壁が立ちはだかっていた。「日本とアメリカの野球の取り組み方の違い」だった。
アメリカの野球の取り組み方について、田口は「自分から事を起こさないと何も始まらない」と語る。例えば日本では、ティーを打っていておかしい部分があったりするとコーチが口を挟むものだが、アメリカの場合はそういうことはない。選手から積極的にアドバイスを求めない限り、コーチは「この選手は『自分は大丈夫だ』と思っている」と判断して、それ以上の指導はしないのだ。
その違いに気づかなかった田口は、コーチが何も言ってこないことから、キャンプ当初「自分は問題なくやれている」と思い込んでしまった。ところが、いざオープン戦が始まるとまるで打てなかった。
「技術的に言えば動く球に対応できずに悩んでいたんですけど、僕がコーチに聞かないものだから、チーム側からすれば真剣に悩んでいると思っていないわけです。キャンプの最後の方で、3Aのコーチが『直さなアカンぞ』と話をしてくれて、そこで初めて気付いた。マイナーに落ちる直前だったんで、もう時すでに遅しでしたけどね」
渡米1年目、3Aで開幕を迎えた田口は6月にメジャー初昇格を果たしたが、4試合で1本もヒットが打てず、すぐに3A降格を宣告された。その後、2Aにまで落ちたが、結果的にそれが功を奏したと田口は話す。
「2Aの経験は大きかったですね。監督が『お前にもプライドもあるだろうから、この1ヵ月はすべての試合で1番を打たせる。好きなようにゲームを作れ。その代わり、チームを勝たせろ』と言ってくれたんです。そういう風に言われると、気持ちは乗ってきますよね。アメリカでは選手の特徴や性格を見ながらやってくれるし、意見交換もしやすい。練習内容が自分に合わないと思ったらそう言えるんです。でもそれはつまり、自分で責任を取らないといけないということなんですよ。あれだけたくさんの人数がいる中では、自分の意見を持っていないと生き残っていけない世界だということを学びました」
田口は、日本一とアメリカ両方で頂点に立った最初の選手だ。日本では1996年にオリックスで日本一、メジャーでは2006年にカーディナルスで、08年にはフィリーズでワールドチャンピオンを経験している。
だが、02年にカーディナルスへ入団した時、田口の前には大きな壁が立ちはだかっていた。「日本とアメリカの野球の取り組み方の違い」だった。
アメリカの野球の取り組み方について、田口は「自分から事を起こさないと何も始まらない」と語る。例えば日本では、ティーを打っていておかしい部分があったりするとコーチが口を挟むものだが、アメリカの場合はそういうことはない。選手から積極的にアドバイスを求めない限り、コーチは「この選手は『自分は大丈夫だ』と思っている」と判断して、それ以上の指導はしないのだ。
その違いに気づかなかった田口は、コーチが何も言ってこないことから、キャンプ当初「自分は問題なくやれている」と思い込んでしまった。ところが、いざオープン戦が始まるとまるで打てなかった。
「技術的に言えば動く球に対応できずに悩んでいたんですけど、僕がコーチに聞かないものだから、チーム側からすれば真剣に悩んでいると思っていないわけです。キャンプの最後の方で、3Aのコーチが『直さなアカンぞ』と話をしてくれて、そこで初めて気付いた。マイナーに落ちる直前だったんで、もう時すでに遅しでしたけどね」
渡米1年目、3Aで開幕を迎えた田口は6月にメジャー初昇格を果たしたが、4試合で1本もヒットが打てず、すぐに3A降格を宣告された。その後、2Aにまで落ちたが、結果的にそれが功を奏したと田口は話す。
「2Aの経験は大きかったですね。監督が『お前にもプライドもあるだろうから、この1ヵ月はすべての試合で1番を打たせる。好きなようにゲームを作れ。その代わり、チームを勝たせろ』と言ってくれたんです。そういう風に言われると、気持ちは乗ってきますよね。アメリカでは選手の特徴や性格を見ながらやってくれるし、意見交換もしやすい。練習内容が自分に合わないと思ったらそう言えるんです。でもそれはつまり、自分で責任を取らないといけないということなんですよ。あれだけたくさんの人数がいる中では、自分の意見を持っていないと生き残っていけない世界だということを学びました」
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