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プロ野球

【プロ野球選手の社会貢献活動:第2回】「何か役に立ちたい」――菅野の思いから始まった東京都医療支援の裏側

節丸裕一

2020.06.07

巨人による総額5000万円の東京都医療支援を主導したのはエースの菅野。以前から介助犬協会の支援などの社会貢献活動を行っていた。写真:山崎賢人(THE DIGEST編集部)

巨人による総額5000万円の東京都医療支援を主導したのはエースの菅野。以前から介助犬協会の支援などの社会貢献活動を行っていた。写真:山崎賢人(THE DIGEST編集部)

 4月8日、プロ野球選手会による『新型コロナウイルス感染症拡大防止活動基金』(以下『コロナ基金』)支援の発表から間もなく、巨人、楽天で投手としてプレーした小山雄輝さん(現・巨人球団職員)から連絡があった。「選手会とBLF、早かったですね。素晴らしいです」。

 実は、選手会が支援を決めるのとほぼ同じタイミングで、巨人も東京都の医療支援の話を進めていたのだ。小山さんが所属するファン事業部の吉野逸人さんに取材した。

「(選手会長の)菅野智之と話したのは4月5日でした。彼が以前から行っている介助犬協会への支援活動についての相談だったんですが、その場で菅野から、医療現場のために僕も何か役に立ちたいと話があったんです」
 
 菅野は医療支援を申し出た理由について、「報道でも知っていましたし、知人の医療関係者からも、病院は満床状態で医療機器も不足していると聞いていたので、少しでも助けになれればという思いでした」と語る。

 吉野さんは、それから2、3日おきにジャイアンツ球場で菅野と打ち合わせを行った。すると練習時間が重なっていた坂本勇人や丸佳浩が「ぜひ一緒にやらせてください」と言ってきたという。「彼らは巨人を代表する中心選手だし、菅野や坂本も若い時から社会貢献へのマインドが強かった。丸も広島在籍時代の2018年、西日本豪雨災害の際に多額の寄付を行っています。3人とも自分の意思で寄付を申し出てくれました」

 そしてこの動きが、程なくして原辰徳監督の耳に入った。原監督が阿部慎之助二軍監督にも声をかけ、最終的に5人で寄付を行うことになった。具体的な内容については、吉野さんが球団副代表補佐である鈴木アントニー氏と二人三脚で話を進めていった。
 

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