プロ野球

【ソフトバンクの2020年を左右する3つのポイント】キューバ大砲コンビの穴は誰が埋める? 栗原ら新戦力の台頭にも期待

SLUGGER編集部

2020.06.15

右上腕部の張りで出遅れていた千賀だが、6月7日の二軍練習試合で最速157キロを計測。一軍復帰が見えてきた。写真:THE DIGEST写真部

 どんなチームも未知数の要素を抱えてシーズンを迎えるもの。2020年のソフトバンクの成否を左右するであろう3つの要素を分析してみよう。

●1 故障者続出をどうやって阻止するか
 2018年はサファテと岩嵜翔、昨年は柳田悠岐に東浜巨、石川柊太。ここ2年のホークスは、主力の故障者続出が要因となってリーグ優勝を逃してきた。今年も千賀滉大と高橋礼、甲斐野央が出遅れ。開幕が6月にずれ込んだことで欠場期間は当初の予定より短く済みそうだが、それでも不安は残る。半ば優勝を義務付けられているがゆえ落とせない試合が続き、毎年ポストシーズンに出場することで選手の勤続疲労が積み重なってしまうのだ。特に投手陣は、過密日程を戦い抜く上でも故障者防止がカギとなるはず。その意味では、工藤公康監督を含めた首脳陣の起用法も重要になってくる。
 
●2 キューバ組の出遅れをカバーできるか
 新型コロナウイルス拡大の影響で、グラシアルとデスパイネの両助っ人がキューバから出国できない状態。打線の中軸を2人欠いたまま開幕を迎えることになってしまった。オープン戦や練習試合では柳田に加え、栗原陵矢や上林誠知らが絶好調。バレンティンも新たに加わった。また、外国人枠が2つ空いたことで、投手を新たに加えることも可能になった。それでも、ラインナップにデスパイネとグラシアルの名前があるのとないのとでは、相手投手に与える心理的な威圧感がまるで違う。昨季のチーム本塁打の3分の1以上を稼いだ2人の復帰を首脳陣は心待ちにしているに違いない。

●3 野手陣の世代交代を促進できるか
 昨年、100試合以上に出場した野手は7人。このうち最も若い甲斐拓也と牧原大成でも28歳で、それ以外の5人は全員30代、松田宣浩は37歳、内川聖一は8月で38歳、さらに新加入のバレンティンは7月で36歳となる。ベテランが元気なことは結構なのだが、チームの将来を考えれば、そろそろ新たな柱が出てきてほしいのも事実。レギュラー奪回を狙う上林はもちろん、栗原や育成から支配下登録を勝ち取った大砲リチャード、三森大貴らの台頭に期待したい。逆に言えば、今季もレギュラー野手の顔ぶれが代わり映えしないようだと世代交代はさらに遅れ、長期的には負の影響をもたらすだろう。

構成●SLUGGER編集部

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