プロ野球

【川口和久のパ・リーグ順位予想】優勝の本命は楽天。打線の充実が、その根拠だ

川口和久

2020.06.18

浅村を筆頭に好打者が揃う楽天は、投手力も充実している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、3月20日の開幕が延期になってから3か月。プロ野球の新シーズンが、ついに6月19日に幕を開ける。およそ5か月間で120試合を戦う未曾有の過密日程には、どんなドラマが待っているのか。広島・巨人OBの川口和久氏に、2020年シーズンの順位を改めて予想してもらった。

【川口氏のパ・リーグ順位予想】
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

 3月時点ではソフトバンクを1位に予想したが、今回は期待を込めて楽天を推す。根拠は、打線の充実だ。楽天はオープン戦で打線の破壊力を示して見せた。鈴木大地が加わり、浅村栄斗やブラッシュという長距離砲をはじめ、ロメロ、辰己涼介、島内宏明と魅力のある面子が揃っている。

 加えて、投手陣も面白い。則本昂大がケガから復帰し、松井裕樹も先発に加わる。さらに涌井秀章、塩見貴洋や弓削隼人といった4、5番手の先発たちも好投していた。中継ぎでは、牧田和久が機能すれば面白い。投手陣が噛み合って、松井が守護神に戻らなくても良い状況になれば、楽天は優勝に近づくはずだ。
 
 ソフトバンクは、デスパイネとグラシアルが来日できていないが、バレンティンがその穴を埋めるだろう。パ・リーグのピッチャーの方が、レベルが高いと言われているなか、そこにどうアジャストしていくのか。おそらくDHでの起用になるので、バッティングに集中できる点はポジティブな要素だ。ソフトバンクは開幕が伸びたことで千賀滉大の復帰にめどが立ちそうだし、和田毅も相変わらず良い。投手陣も充実しているから、優勝争いに絡んでくるのは間違いない。

 3位に挙げたロッテは、なにより佐々木朗希の登板が早く見たい。彼の投球には、「この時代にこんな柔らかい選手がいるのか」と驚いた。股関節の柔らかさ、高身長を活かした雄大なフォーム……いずれもポテンシャルを感じる。

 ロッテの投手陣は、新加入の美馬学、石川歩、西野勇士、種市篤暉、二木康太など、頭数が揃っている。上手く組み立てていけば、大崩れはしなさそうだ。良いチーム状況で佐々木をデビューさせることができれば、リーグ制覇も見えてくるだろう。