プロ野球

【開幕戦で達成したい記録&したくない記録】ヤクルト石川は金字塔を打ち立てられるか?一方、ワースト樹立はなんとしても避けたいオリックスは…

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.06.19

40歳にして9度目の開幕投手を務めることが決まっている石川。これまでは8試合で5勝3敗だが、史上最多タイの6勝目は挙げられるか。写真:産経新聞社

 いよいよ今日、開幕を迎えるプロ野球。今日の試合で注目すべき2つの記録をピックアップすることで、開幕戦の見どころを解説していきたい。

▼石川雅規(ヤクルト)の開幕戦通算最多勝利
 石川はこれまで8度開幕投手を務め、通算5勝。9度目の開幕投手を務める今日の中日戦に勝てば、北別府学(元広島)が持つ開幕戦6勝のプロ野球記録に並ぶ。石川も北別府には共通点が多い。どちらも制球に優れた技巧派で、毎年安定した活躍を残した「無事是名馬」タイプだ。ただ、北別府がいた頃の広島は毎年のように優勝を争う強豪チームだったのに対して、石川が入団して以降、ヤクルトがリーグ優勝したのは1回だけ。お世辞にも強いとは言えないチームで開幕戦最多勝の記録を打ち立てることの意義は大きい。
 
▼オリックスの開幕連敗ワースト記録
 石川とは対照的に、プロ野球ワースト記録更新の土俵際にいるのがオリックスだ。2012年から開幕戦で8連敗。今日の楽天戦に敗れると、不名誉な記録を更新してしまうことになる。ちなみに8連敗の軌跡は以下の通り。

2012 ○ソフトバンク 3-1 オリックス●
2013 ○ロッテ 3-2 オリックス●
2014 ○日本ハム 6-5  オリックス●
2015 ○西武 1-0  オリックス●
2016 ○西武 5-4  オリックス●
2017 ●オリックス 4-6  楽天○
2018 ○ソフトバンク  2-0  オリックス●
2019 ○日本ハム   7-3  オリックス●

 ご覧のように、大半が2点差以内の"惜敗"。昨年も9回までは3対3の同点だったが、延長10回に中田翔からサヨナラ満塁弾を食らってしまった。だが、今年に関して言えば好材料もある。昨季の対戦成績は12勝12敗1分と互角。しかも、開幕投手の山岡泰輔は昨季、楽天戦では7試合に先発して6勝と相性がいい。ちなみに、オリックス以前に開幕戦8連敗を喫したのは1952~1959年の東映(現・日本ハム)。当時はBクラスの常連だった東映は60年に記録を止めると、61~67年に7年連続Aクラスと強豪に生まれ変わった。オリックスも何としても連敗を止め、低迷脱出に弾みをつけたい。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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