楽天の4番・浅村栄斗のバットが火を噴きまくっている。
開幕17試合で9本塁打、26打点。このペースで行けば、年間64本塁打&183打点でいずれも日本記録を更新する勢いである。もっとも、シーズンを通してずっと打つのは限りなく難しいので、この"妄想"は一旦置いておき、"現実的"な記録への挑戦に目を向けよう。
浅村は昨日8日のソフトバンク戦で3ランを放ち、これで7月4日のロッテ戦から4試合連続本塁打。楽天の球団記録に並んでいる。果たして連続本塁打の日本記録は、ご存知の通り王貞治とランディ・バースの7試合連続である。一方、パ・リーグの連続記録は、カブレラや松中信彦ら計8人が到達している6戦連発。今日の試合でホームランを打てなければ意味はないものの、年間と違って3日後には少なくとも分かるのだから、ずっとリアルに近い"妄想"だ。
直近では、西武の、そして大阪桐蔭高の先輩でもある中村剛也が2018年8月に6試合連続本塁打をマーク。他にも2016年の大谷翔平が二刀流を続けながら5戦連発を記録している。ただ意外なことに、彼ら2人はもちろん、連続本塁打記録の上位の中で、その年の本塁打王を獲得している選手はかなり少ない。
先に挙げた王&バースの2人は納得の複数タイトル(バースは三冠王)に輝いている一方、6試合連続本塁打を記録している13選手のうち、本塁打王となったのはランス、松中、ゲレーロの3人だけ。この数字を見るだけでも、年間を通して打ち続ける難しさが分かるはずだ。
その中でも、あまりに"悲運"だった選手がいる。1970年代にロッテの中心打者として活躍したアルトマンだ。来日7年目、41歳を迎えた74年は打撃絶好調で、6月にパ・リーグ記録に並ぶ6試合連続本塁打をマークしていた。しかしその後、大腸がんが発覚。自身は周囲に明かさず気合いでプレーを続けていたものの、8月7日の南海戦の試合途中に気を失ったことで明るみとなり、無念のシーズンエンドとなった。そこまでの85試合で21本塁打、打率.351、OPS1.095と圧巻の成績を残していただけに、つくづく悔やまれた。
「数字に関しては出来過ぎかなってぐらい順調」と謙遜する浅村。しかしここまでの9本塁打は、引っ張りで4本、センターに1本、逆方向に4本と、彼らしい逆らわないバッティングを見せている。自らの広角打法という強みを維持しながらも、"パワーフォルム"に変貌している現在の浅村なら、快挙達成も十分可能な気がしてならない。
〈7試合連続本塁打〉
・王貞治(巨人/1972年9月11日~20日)
・バース(阪神/1986年6月18日~26日)
〈6試合連続本塁打〉
・大杉勝男(日拓/1973年10月2日~9日)
・アルトマン(ロッテ/1974年6月13日~23日)
・土井正博(クラウン/1978年5月14日~22日)
・デービス(近鉄/1985年8月2日~8日)
・ランス(広島/1987年6月9日~16日)
・石嶺和彦(阪急/1987年9月2日~10日)
・スチーブンス(近鉄/1995年4月7日~13日)
・カブレラ(西武/2003年9月9日~15日)
・阿部慎之助(巨人/2004年4月9日~16日)
・松中信彦(ダイエー/2004年7月17日~23日)
・新井貴浩(広島/2005年6月22日~28日)
・ゲレーロ(中日/2017年5月28日~6月3日)
・中村剛也(西武/2018年8月4日~8月10日)
文●新井裕貴(SLUGGER編集部)
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開幕17試合で9本塁打、26打点。このペースで行けば、年間64本塁打&183打点でいずれも日本記録を更新する勢いである。もっとも、シーズンを通してずっと打つのは限りなく難しいので、この"妄想"は一旦置いておき、"現実的"な記録への挑戦に目を向けよう。
浅村は昨日8日のソフトバンク戦で3ランを放ち、これで7月4日のロッテ戦から4試合連続本塁打。楽天の球団記録に並んでいる。果たして連続本塁打の日本記録は、ご存知の通り王貞治とランディ・バースの7試合連続である。一方、パ・リーグの連続記録は、カブレラや松中信彦ら計8人が到達している6戦連発。今日の試合でホームランを打てなければ意味はないものの、年間と違って3日後には少なくとも分かるのだから、ずっとリアルに近い"妄想"だ。
直近では、西武の、そして大阪桐蔭高の先輩でもある中村剛也が2018年8月に6試合連続本塁打をマーク。他にも2016年の大谷翔平が二刀流を続けながら5戦連発を記録している。ただ意外なことに、彼ら2人はもちろん、連続本塁打記録の上位の中で、その年の本塁打王を獲得している選手はかなり少ない。
先に挙げた王&バースの2人は納得の複数タイトル(バースは三冠王)に輝いている一方、6試合連続本塁打を記録している13選手のうち、本塁打王となったのはランス、松中、ゲレーロの3人だけ。この数字を見るだけでも、年間を通して打ち続ける難しさが分かるはずだ。
その中でも、あまりに"悲運"だった選手がいる。1970年代にロッテの中心打者として活躍したアルトマンだ。来日7年目、41歳を迎えた74年は打撃絶好調で、6月にパ・リーグ記録に並ぶ6試合連続本塁打をマークしていた。しかしその後、大腸がんが発覚。自身は周囲に明かさず気合いでプレーを続けていたものの、8月7日の南海戦の試合途中に気を失ったことで明るみとなり、無念のシーズンエンドとなった。そこまでの85試合で21本塁打、打率.351、OPS1.095と圧巻の成績を残していただけに、つくづく悔やまれた。
「数字に関しては出来過ぎかなってぐらい順調」と謙遜する浅村。しかしここまでの9本塁打は、引っ張りで4本、センターに1本、逆方向に4本と、彼らしい逆らわないバッティングを見せている。自らの広角打法という強みを維持しながらも、"パワーフォルム"に変貌している現在の浅村なら、快挙達成も十分可能な気がしてならない。
〈7試合連続本塁打〉
・王貞治(巨人/1972年9月11日~20日)
・バース(阪神/1986年6月18日~26日)
〈6試合連続本塁打〉
・大杉勝男(日拓/1973年10月2日~9日)
・アルトマン(ロッテ/1974年6月13日~23日)
・土井正博(クラウン/1978年5月14日~22日)
・デービス(近鉄/1985年8月2日~8日)
・ランス(広島/1987年6月9日~16日)
・石嶺和彦(阪急/1987年9月2日~10日)
・スチーブンス(近鉄/1995年4月7日~13日)
・カブレラ(西武/2003年9月9日~15日)
・阿部慎之助(巨人/2004年4月9日~16日)
・松中信彦(ダイエー/2004年7月17日~23日)
・新井貴浩(広島/2005年6月22日~28日)
・ゲレーロ(中日/2017年5月28日~6月3日)
・中村剛也(西武/2018年8月4日~8月10日)
文●新井裕貴(SLUGGER編集部)
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