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プロ野球

2016年のドラフトで誕生した10人の“ドラ1投手“。9人が白星を挙げる中、ただ一人の未勝利が皮肉にも…

SLUGGER編集部

2020.07.10

16年ドラフトでは一番人気だった田中だが、怪我にも悩まされ、いまだに勝ち星を挙げられていない。写真:産経新聞社

16年ドラフトでは一番人気だった田中だが、怪我にも悩まされ、いまだに勝ち星を挙げられていない。写真:産経新聞社

 去る7月7日、ヤクルトの寺島成輝が中日戦で待望のプロ初勝利を挙げた。同点の9回裏に登板して無失点。続く10回表に味方が勝ち越し、プロ4年目にしてやっと白星を手にした。これで2016年のドラフトで1位で指名された投手10人のうち9人が勝ち星を挙げたことになる。下記のリストは、各投手が初勝利を挙げた日付と、これまでの勝利数だ。

佐々木千隼(ロッテ) 2017年4月6日/通算6勝 
矢崎拓也(広島) 2017年4月7日/通算1勝 
濵口遥大(DeNA) 2017年4月9日/通算21勝 
山岡泰輔(オリックス) 2017年5月28日/通算28勝 
柳裕也(中日) 2017年6月18日/通算15勝 
藤平尚真(楽天) 2017年8月22日/通算7勝 
今井達也(西武) 2018年6月13日/通算12勝 
堀瑞輝(日本ハム) 2018年7月28日/通算7勝 
寺島成輝(ヤクルト) 2020年7月7日/通算1勝
 
 9人の中で初勝利が最も早かったのは、外れ1位ながら5球団が競合した佐々木だが、その後はやや伸び悩んでいる。それに対して、早くから頭角を現したのが濵口と山岡だ。濵口は1年目に10勝を挙げて新人特別賞を受賞。山岡も新人王こそ逃したが、パ・リーグの新人投手では唯一規定投球回に到達して8勝。昨年は最高勝率のタイトルも手にした。また、柳は3年目の昨季に初の2ケタ勝利を挙げてオールスターにも選ばれた。
 
 何とも皮肉なことに、16年のドラ1投手で唯一未勝利なのは、5球団が競合した田中正義(ソフトバンク)である。創価大時代は16勝1敗、防御率0.37と圧倒的な成績を残し、ユニバーシアード日本代表にも選ばれてNPB選抜との練習試合で7三振を奪う快投を見せた逸材も、プロ入り後は故障もあって一軍通算11試合登板、防御率8.16にとどまっている。今季もキャンプで右ヒジの違和感を訴えて離脱。いまだにファームでも登板がない。

 なお、この年はドラフト1位以外にも好投手が多く出ている。昨季の最優秀防御率のタイトルを獲得した山本由伸(オリックス)は4位指名。今思えば、意外なほど低い順位での入団だった。また、昨季23イニング連続奪三振のプロ野球タイ記録に並んだ種市篤暉(ロッテ)は6位指名だった。リリーフでは、平井克典(西武5位)や藤嶋健人(中日5位)、高梨雄平(楽天9位)らが活躍している。

 この年のドラフトでは育成選手を除いて63人の投手が指名されたが(1人が入団拒否)、すでに半分以上の38人が初勝利を挙げている。にもかかわらず、ドラフト時点で「史上初の12球団競合か」などと言われていた田中がいまだに1勝もしていないのは、皮肉としか言いようがない。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。今後の巻き返しに期待したい。

文●SLUGGER編集部

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