山梨県高野連は4日、他県に先駆けて今夏の県大会に「クラウドファンティング」を取り入れた。選手たちへの精神的負担を少しでも軽くし、最後のプレーに集中させる大人たちからの心づかいだ。
さて、7月23日から始まる大会の優勝候補は、圧倒的に山梨学院だ。
なかでも、大型ショートの小吹悠人の動きが素晴らしい。180cm・81kgと大きな体を自在に使いこなす軽快な動きと強肩ぶりは見事。課題だった打撃面も、コロナ自粛期間以降に急上昇した。
もう一人チームを支えているのが、1年春から出場している4番・栗田勇雅捕手。173cm・78kgと決して大きくはないが、二塁送球は1.9秒台とスローイングはいい。バッティングも力強く振り切り、本塁打も放つ。
彼ら以外にも190cm・92kgの本格右腕・渡辺日向投手、足のある功刀史也内野手、渡辺嵩馬、外川温大外野手らが走りまわる。昨秋の関東大会準優勝を自信にした巧みなゲーム運びを見せてくれるだろう。
追う一番手は、大須賀秀人投手を擁する駿台甲府だろう。179cm・79kgの体から、腕を振って投げ込んでくるパワーピッチャーだ。タテのカーブと重いボールを駆使して、力で抑え込む。駿台甲府は、簡単には打てないストレートを投げる左の藤井貴也投手が、二番手に待機しているのもポジティブな要素だ。
東海大甲府もあなどれない。1年秋からスタメンに選ばれたパワーヒッターの渡部海夢外野手がいる。2年秋には3本塁打を放って勝利に貢献している好打者だ。小兵だが、俊敏な動きを見せる伊達大我遊撃手も要注意人物で、出塁すると高確率で点に結びつける。
この3校に続くのが、甲府商、甲府城西、日本航空、帝京三、都留、甲府工、富士学苑、日川、富士北稜といったあたりだ。
「公立は練習不足」とよく言われるが、甲府城西にその言葉は当てはまらない。卓越した指導力を持つ宿沢元樹監督が、ここのところ毎年チームを上手く仕上げてくるし、長打でチームを引っ張る雨宮康大主将の存在も心強い。今夏も旋風を巻き起こし、大物食いを狙う。
合併校の富士北稜も面白い。エースの古西祐羽投手は、左足を後ろに撥ね上げる独特の投球フォームが特徴。韮崎戦で14奪三振を記録したこともある。また、日本航空のトップバッター鈴村亜久里中堅手の走者を刺す強肩は一見の価値あり。日大明誠の竹安志浩三塁手は、右投左打ちでパンチ力があり、逆方向にも打てる。肩も悪くなく、守備範囲も広い。こうした有望選手が揃う山梨大会は、高校野球ファンを大いに楽しませてくれそうだ。
文●大友良行
【著者プロフィール】 おおとも・よしゆき/元大手新聞社の報道写真記者。事件事故取材の傍らメジャーリーグやサッカーW杯などの欧州サッカーを取材。現在は、全国の大学野球、春夏の甲子園をはじめとする高校野球、都市対抗を中心に社会人野球などを深く取材している。著書に「野球監督の仕事(共著・成美堂出版)」、「CMタイムの逆襲(東急エージェンシー)」などがある。
さて、7月23日から始まる大会の優勝候補は、圧倒的に山梨学院だ。
なかでも、大型ショートの小吹悠人の動きが素晴らしい。180cm・81kgと大きな体を自在に使いこなす軽快な動きと強肩ぶりは見事。課題だった打撃面も、コロナ自粛期間以降に急上昇した。
もう一人チームを支えているのが、1年春から出場している4番・栗田勇雅捕手。173cm・78kgと決して大きくはないが、二塁送球は1.9秒台とスローイングはいい。バッティングも力強く振り切り、本塁打も放つ。
彼ら以外にも190cm・92kgの本格右腕・渡辺日向投手、足のある功刀史也内野手、渡辺嵩馬、外川温大外野手らが走りまわる。昨秋の関東大会準優勝を自信にした巧みなゲーム運びを見せてくれるだろう。
追う一番手は、大須賀秀人投手を擁する駿台甲府だろう。179cm・79kgの体から、腕を振って投げ込んでくるパワーピッチャーだ。タテのカーブと重いボールを駆使して、力で抑え込む。駿台甲府は、簡単には打てないストレートを投げる左の藤井貴也投手が、二番手に待機しているのもポジティブな要素だ。
東海大甲府もあなどれない。1年秋からスタメンに選ばれたパワーヒッターの渡部海夢外野手がいる。2年秋には3本塁打を放って勝利に貢献している好打者だ。小兵だが、俊敏な動きを見せる伊達大我遊撃手も要注意人物で、出塁すると高確率で点に結びつける。
この3校に続くのが、甲府商、甲府城西、日本航空、帝京三、都留、甲府工、富士学苑、日川、富士北稜といったあたりだ。
「公立は練習不足」とよく言われるが、甲府城西にその言葉は当てはまらない。卓越した指導力を持つ宿沢元樹監督が、ここのところ毎年チームを上手く仕上げてくるし、長打でチームを引っ張る雨宮康大主将の存在も心強い。今夏も旋風を巻き起こし、大物食いを狙う。
合併校の富士北稜も面白い。エースの古西祐羽投手は、左足を後ろに撥ね上げる独特の投球フォームが特徴。韮崎戦で14奪三振を記録したこともある。また、日本航空のトップバッター鈴村亜久里中堅手の走者を刺す強肩は一見の価値あり。日大明誠の竹安志浩三塁手は、右投左打ちでパンチ力があり、逆方向にも打てる。肩も悪くなく、守備範囲も広い。こうした有望選手が揃う山梨大会は、高校野球ファンを大いに楽しませてくれそうだ。
文●大友良行
【著者プロフィール】 おおとも・よしゆき/元大手新聞社の報道写真記者。事件事故取材の傍らメジャーリーグやサッカーW杯などの欧州サッカーを取材。現在は、全国の大学野球、春夏の甲子園をはじめとする高校野球、都市対抗を中心に社会人野球などを深く取材している。著書に「野球監督の仕事(共著・成美堂出版)」、「CMタイムの逆襲(東急エージェンシー)」などがある。