いよいよ2020年のシーズンが幕を開ける。だが、各チームの編成トップは常に未来を見据えている。主力選手の契約状況やマイナーでの若手選手の育成状況も考慮しながら、エンジェルスの未来を展望してみよう。
昨季開幕前にマイク・トラウトと12年4億2650万ドル(約456億円)で契約延長。39歳のシーズンにも3450万ドル(約36億円)支払うため、最終的には不良債権化する可能性が高いが、不世出のスーパースターにこれまでの労を報いる意味でも間違ってはいない。
問題は今オフ、アンソニー・レンドーン三塁手に7年2億4500万ドル(約262億円)の大型契約を与えたことだ。当初狙っていた投手の目玉、ゲリット・コールらを逃した結果の言わば"苦肉の策"だったが、これによって投打のバランスは著しく不均衡になってしまった。今季の年俸を見ると、野手陣が総額で1億5000万ドル(約160億円)近くに上る一方、投手陣は3000万ドル(約32億円)強にとどまっている。
ビリー・エプラーGMは常々「投手への長期契約はリスクが高い」と明言していて、確かにそれは事実なのだが、かといって掘り出し物を見つける才覚もないので、結局は半端な投手を獲得して失敗するパターンを繰り返している。今季新たに加わったフリオ・テラーン、ディラン・バンディも先発4番手クラスで、とてもプレーオフを狙うチームの陣容ではない。
若手投手の故障禍も問題だ。これまでも、アンドリュー・ヒーニーや昨年亡くなったタイラー・スキャッグスなど、期待の若手が故障で長期離脱する例が多かったが、今年のスプリング・トレーニングでも、昨季デビューした若手右腕グリフィン・キャニングがヒジを故障。トミー・ジョン手術を回避し、延期が幸いして開幕には間に合う見込みだが、いまだ先発4~5番手クラス。マイナーでの投手育成も思うように進んでおらず、その意味でもこのオフは何としてもエース級を獲得するべきだったと悔やまれてならない。
いずれにせよ、レンドーンとトラウトと長期契約を交わした以上、2人が元気なうちに勝負に出るしかない。大谷も今季終了後に年俸調停権を取得し、今後はサラリーが右肩上がりで高騰する段階に入る。そう考えると、禁じ手に近いかもしれないが、トップ・プロスペクトのジョー・アデル外野手をトレードの駒にして、ダルビッシュ有(カブス)やシェーン・ビーバー(インディアンス)ら有力投手獲得に動くべきではないか。それくらいしないと、プレーオフ進出は望めないだろう。
文●SLUGGER編集部
【PHOTO】全米に衝撃を与えた大谷翔平の二刀流、はじける笑顔、日本代表での秘蔵ショットも大公開!
昨季開幕前にマイク・トラウトと12年4億2650万ドル(約456億円)で契約延長。39歳のシーズンにも3450万ドル(約36億円)支払うため、最終的には不良債権化する可能性が高いが、不世出のスーパースターにこれまでの労を報いる意味でも間違ってはいない。
問題は今オフ、アンソニー・レンドーン三塁手に7年2億4500万ドル(約262億円)の大型契約を与えたことだ。当初狙っていた投手の目玉、ゲリット・コールらを逃した結果の言わば"苦肉の策"だったが、これによって投打のバランスは著しく不均衡になってしまった。今季の年俸を見ると、野手陣が総額で1億5000万ドル(約160億円)近くに上る一方、投手陣は3000万ドル(約32億円)強にとどまっている。
ビリー・エプラーGMは常々「投手への長期契約はリスクが高い」と明言していて、確かにそれは事実なのだが、かといって掘り出し物を見つける才覚もないので、結局は半端な投手を獲得して失敗するパターンを繰り返している。今季新たに加わったフリオ・テラーン、ディラン・バンディも先発4番手クラスで、とてもプレーオフを狙うチームの陣容ではない。
若手投手の故障禍も問題だ。これまでも、アンドリュー・ヒーニーや昨年亡くなったタイラー・スキャッグスなど、期待の若手が故障で長期離脱する例が多かったが、今年のスプリング・トレーニングでも、昨季デビューした若手右腕グリフィン・キャニングがヒジを故障。トミー・ジョン手術を回避し、延期が幸いして開幕には間に合う見込みだが、いまだ先発4~5番手クラス。マイナーでの投手育成も思うように進んでおらず、その意味でもこのオフは何としてもエース級を獲得するべきだったと悔やまれてならない。
いずれにせよ、レンドーンとトラウトと長期契約を交わした以上、2人が元気なうちに勝負に出るしかない。大谷も今季終了後に年俸調停権を取得し、今後はサラリーが右肩上がりで高騰する段階に入る。そう考えると、禁じ手に近いかもしれないが、トップ・プロスペクトのジョー・アデル外野手をトレードの駒にして、ダルビッシュ有(カブス)やシェーン・ビーバー(インディアンス)ら有力投手獲得に動くべきではないか。それくらいしないと、プレーオフ進出は望めないだろう。
文●SLUGGER編集部
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