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プロ野球

ボーアを見限るのはまだ早い!“神様“バースも来日直後は…阪神助っ人打者の“最初の3試合”を振り返る

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.06.22

開幕3試合では安打どころか出塁すらなし。とはいえ、この3連戦だけで良し悪しを判断するのは早計だ。写真:産経新聞社

開幕3試合では安打どころか出塁すらなし。とはいえ、この3連戦だけで良し悪しを判断するのは早計だ。写真:産経新聞社

 開幕3連戦で12球団唯一の全敗を喫した阪神。敗因はいろいろ考えられるが、“戦犯”として新外国人ボーアを槍玉に挙げる声が目立つ。12打席でいまだ1本もヒットが出ておらず、満塁の好機で3度も凡退してしまっているのだから、やむを得ないか。

 では冷静に、ここ10年間で阪神に加入した外国人打者の最初の3試合の成績はどうだったのか、改めて振り返ってみよう。

マートン(2010):11打数4安打1打点、打率.364
コンラッド(2013):11打数4安打、打率.364
ゴメス(2014):12打数4安打4打点、打率.333
ヘイグ(2016):9打数4安打4打点、打率.444
キャンベル(2017):9打数4安打2打点、打率.444
ロサリオ(2018):12打数4安打3打点、打率.333
マルテ(2019):11打数2安打1打点、打率.182

 これだけを見ると確かにボーアの不調への懸念が募る。だが、実は上の面々をよくよく見ると、最初は良くてもシーズン全体で見れば活躍できなかった選手の方が多い。
 
 コンラッドは開幕3連戦で4安打放ったが、以降の21試合ではたった6安打しか打てず、58打席無打点の球団外国人打者ワースト記録を更新。結局、打点0のまま退団と、いろいろな意味で伝説を残した。同じく好スタートを切ったヘイグも、開幕から約3週間で二軍に降格。わずか31試合の出場に終わった。

 期待が高かった分、失望も大きかったのがロサリオだ。韓国プロ野球で2年連続3割30本100打点を記録し、助っ人としては球団史上最高額の年俸3億4000万円で入団。キャンプ、オープン戦と評論家の評判も良く、実際に好スタートを切ったが、その後は外角の変化球に対応できず。結局、75試合で打率.242、8本塁打、OPS.658の成績で1年限りで退団した。

 当たり前だが、開幕3試合での成績では、その選手が成功か失敗かを見極めるのは不可能に近い、ということである。

 ちなみに、阪神に助っ人野手が入団するたびに引き合いに出されるこのお方の最初の3試合の成績はこうだ。

バース(1983):3打数0安打1三振、打率.000

 バースは83年のオープン戦で死球を受けて左手を骨折し、開幕戦には出場してない。デビューしたのは開幕5戦目の4月16日だったが、3試合はすべて代打での出場だった。しかも4月中はノーヒット。だが、そこから調子を上げ、その後の活躍は周知のとおり“神様”になったわけである。ボーアも長い目で見れば、バース並みとまではいかずとも活躍できる可能性は十分ある。虎党の不安も理解できるが、もう少し長い目で見てあげてほしい。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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