打者も投手も主要3部門のタイトル獲得は、リーグで突出した存在の証明と言える。ならば、その通算獲得数は歴代最高の選手を論じる上でのバロメーターにもなるだろう。ここでは、セ・リーグで最も多く首位打者、本塁打王、打点王に輝いた選手をベスト5形式で紹介する。※首=首位打者、本=本塁打王、点=打点王
1位 王貞治 33回(首5回、本15回、点13回)
2位 長嶋茂雄 13回(首6回、本2回、点5回)
3位 山本浩二 8回(首1回、本4回、点3回)
4位 松井秀喜 7回(首1回、本3回、点3回)
4位 アレックス・ラミレス 7回(首1回、本2回、点4回)
1965~93年に前人未到のV9を達成した巨人黄金期の中心にいた“ON”がトップ2だ。特に王の33回は両リーグダントツの獲得数で、投手を含めてもこれほど多くのタイトルを獲得した選手はいない。62年に初めて本塁打王に輝いた王は13年連続でキングの座を譲らず、同期間は打点王も長嶋と分け合うなど圧倒的な存在として君臨した。王が本塁打と打点のタイトルを受賞した回数(15回/13回)はそれぞれ史上最多で、通算868本塁打、2170打点ともども、今後も破られない不滅の記録だろう。
立教大から鳴り物入りでプロ入りした長嶋は、1年目から本塁打と打点の二冠を達成し、2年目からは3年連続で首位打者に輝いた。首位打者獲得6回は「セ・リーグ」と「右打者」のくくりでそれぞれ最も多い。ランキングには含まれていないが、最多安打も歴代最多の10回獲得。鮮烈なプレースタイルや数々の逸話、そして王との対比から「記録よりも記憶に残る男」として語られることが多いが、記録上でも輝かしい足跡を残している。ちなみに、59年からV9が途切れた74年までの16年間にわたり、OPSのリーグ最高もすべて“ON”が独占している。
“ミスター赤ヘル”山本は、カープが帽子とヘルメットの色を赤に変えた75年に、初の打撃タイトルとなる首位打者を獲得して球団創設初のリーグ優勝を果たしたチームを牽引。首位打者以外のタイトルはすべて30代以降と大器晩成型で、大卒選手では史上唯一、通算500本塁打をクリアしている。
4位には、平成を代表する打者2人が並んでランクインした。松井は98、2000、02年と隔年で本塁打と打点のタイトルを獲得し、特に02年は首位打者も争い、あわや三冠王かと期待された。翌年に海を渡らなければ、さらにタイトル獲得数を伸ばしていたことは想像に難くない。ラミレスも03年は本塁打と打点がリーグトップで、打率は2位と三冠王に迫る活躍。日本で13年にわたってプレーし、助っ人外国人選手では初の名球会入りも果たすなど濃いキャリアを送った。
今回は対象外としたが、1リーグ時代も含めれば“打撃の神様”と呼ばれた川上哲治(10回)、「物干し竿」と呼ばれる長いバットを操った藤村富美男(9回)、史上初の三冠王に輝いた中島治康(8回)、“じゃじゃ馬”の愛称で親しまれた青田昇(8回)といった面々も数多くのタイトルを獲得している。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
【PHOTO】ファンの心を鷲掴み!イケメンプロ野球選手を厳選!
1位 王貞治 33回(首5回、本15回、点13回)
2位 長嶋茂雄 13回(首6回、本2回、点5回)
3位 山本浩二 8回(首1回、本4回、点3回)
4位 松井秀喜 7回(首1回、本3回、点3回)
4位 アレックス・ラミレス 7回(首1回、本2回、点4回)
1965~93年に前人未到のV9を達成した巨人黄金期の中心にいた“ON”がトップ2だ。特に王の33回は両リーグダントツの獲得数で、投手を含めてもこれほど多くのタイトルを獲得した選手はいない。62年に初めて本塁打王に輝いた王は13年連続でキングの座を譲らず、同期間は打点王も長嶋と分け合うなど圧倒的な存在として君臨した。王が本塁打と打点のタイトルを受賞した回数(15回/13回)はそれぞれ史上最多で、通算868本塁打、2170打点ともども、今後も破られない不滅の記録だろう。
立教大から鳴り物入りでプロ入りした長嶋は、1年目から本塁打と打点の二冠を達成し、2年目からは3年連続で首位打者に輝いた。首位打者獲得6回は「セ・リーグ」と「右打者」のくくりでそれぞれ最も多い。ランキングには含まれていないが、最多安打も歴代最多の10回獲得。鮮烈なプレースタイルや数々の逸話、そして王との対比から「記録よりも記憶に残る男」として語られることが多いが、記録上でも輝かしい足跡を残している。ちなみに、59年からV9が途切れた74年までの16年間にわたり、OPSのリーグ最高もすべて“ON”が独占している。
“ミスター赤ヘル”山本は、カープが帽子とヘルメットの色を赤に変えた75年に、初の打撃タイトルとなる首位打者を獲得して球団創設初のリーグ優勝を果たしたチームを牽引。首位打者以外のタイトルはすべて30代以降と大器晩成型で、大卒選手では史上唯一、通算500本塁打をクリアしている。
4位には、平成を代表する打者2人が並んでランクインした。松井は98、2000、02年と隔年で本塁打と打点のタイトルを獲得し、特に02年は首位打者も争い、あわや三冠王かと期待された。翌年に海を渡らなければ、さらにタイトル獲得数を伸ばしていたことは想像に難くない。ラミレスも03年は本塁打と打点がリーグトップで、打率は2位と三冠王に迫る活躍。日本で13年にわたってプレーし、助っ人外国人選手では初の名球会入りも果たすなど濃いキャリアを送った。
今回は対象外としたが、1リーグ時代も含めれば“打撃の神様”と呼ばれた川上哲治(10回)、「物干し竿」と呼ばれる長いバットを操った藤村富美男(9回)、史上初の三冠王に輝いた中島治康(8回)、“じゃじゃ馬”の愛称で親しまれた青田昇(8回)といった面々も数多くのタイトルを獲得している。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
【PHOTO】ファンの心を鷲掴み!イケメンプロ野球選手を厳選!