いよいよ2020年のシーズンが幕を開ける。だが、各チームの編成トップは常に未来を見据えている。主力選手の契約状況やマイナーでの若手選手の育成状況も考慮しながら、マリナーズの未来を展望してみよう。
2018年オフに大々的なチーム解体に着手。エドウィン・ディアズやロビンソン・カノー、ジーン・セグーラらを次々にトレードに出し、昨季もシーズン途中に主力を続けざまに放出した。案の定、負けが込んで7年ぶりの地区最下位に沈んだが、大胆なチーム改革に踏み切ったおかげで、マイナーは一気にプロスペクトの宝庫となった。
そもそもディポートGMが再建を決断した理由は、端的に言って「ワイルドカード争いが精一杯」という中途半端な状況を打開するためだ。もちろんチーム再建はまだ道半ばで、特に投手陣は先発、ブルペンとも層が薄く、今季も地区最下位に沈む可能性が高い。それでも、球団創設以来の悲願であるワールドシリーズ進出を実現するための正しい段階を歩んでいることは確かだ。
昨季終盤にデビューしてセンセーショナルな活躍を見せたカイル・ルイス外野手、メジャー昇格前に最大9年の長期契約を交わしたエバン・ホワイト一塁手も含め、野手はすでにレギュラーの半分近くが25歳以下。さらに、今季はカノー、ディアズらの交換要員として獲得し、外野手では球界屈指のプロスペクトと評価されるジャレッド・ケレニック、そして有望株右腕のローガン・ギルバートの昇格が予想されている。『ベースボール・アメリカ』誌のファーム組織ランキングでは、18年は全30球団ワーストだったのが昨年は19位、今年は一気に5位まで上昇した。
チーム再建の基礎工事は出来上がった。あとはその若手たちが期待どおりに成長してくれるかどうかだが、これに関しては判断を留保せざるを得ない。というのも、マリナーズにはトップ・プロスペクトが大成しない「悪しき伝統」があるからだ。
05年1位のジェフ・クレメント捕手や09年1位のダスティン・アクリー二塁手、11年1位のダニー・ハルツェン投手などドラフト上位で指名した選手はことごとく外れ、今いるメンバーでもジュスタス・シェフィールド投手やJP・クロフォード遊撃手などが伸び悩み、ルイスもまだ未知数の部分が大きい。今後、メジャーに上がってくる選手を含め、しっかり主力に育て上げて「悪しき伝統」を打破できるかが再建の成否を左右する。
文●SLUGGER編集部
【PHOTO】ダルビッシュ、大谷、マエケン!メジャーリーグで活躍する日本人選手を一挙紹介!
2018年オフに大々的なチーム解体に着手。エドウィン・ディアズやロビンソン・カノー、ジーン・セグーラらを次々にトレードに出し、昨季もシーズン途中に主力を続けざまに放出した。案の定、負けが込んで7年ぶりの地区最下位に沈んだが、大胆なチーム改革に踏み切ったおかげで、マイナーは一気にプロスペクトの宝庫となった。
そもそもディポートGMが再建を決断した理由は、端的に言って「ワイルドカード争いが精一杯」という中途半端な状況を打開するためだ。もちろんチーム再建はまだ道半ばで、特に投手陣は先発、ブルペンとも層が薄く、今季も地区最下位に沈む可能性が高い。それでも、球団創設以来の悲願であるワールドシリーズ進出を実現するための正しい段階を歩んでいることは確かだ。
昨季終盤にデビューしてセンセーショナルな活躍を見せたカイル・ルイス外野手、メジャー昇格前に最大9年の長期契約を交わしたエバン・ホワイト一塁手も含め、野手はすでにレギュラーの半分近くが25歳以下。さらに、今季はカノー、ディアズらの交換要員として獲得し、外野手では球界屈指のプロスペクトと評価されるジャレッド・ケレニック、そして有望株右腕のローガン・ギルバートの昇格が予想されている。『ベースボール・アメリカ』誌のファーム組織ランキングでは、18年は全30球団ワーストだったのが昨年は19位、今年は一気に5位まで上昇した。
チーム再建の基礎工事は出来上がった。あとはその若手たちが期待どおりに成長してくれるかどうかだが、これに関しては判断を留保せざるを得ない。というのも、マリナーズにはトップ・プロスペクトが大成しない「悪しき伝統」があるからだ。
05年1位のジェフ・クレメント捕手や09年1位のダスティン・アクリー二塁手、11年1位のダニー・ハルツェン投手などドラフト上位で指名した選手はことごとく外れ、今いるメンバーでもジュスタス・シェフィールド投手やJP・クロフォード遊撃手などが伸び悩み、ルイスもまだ未知数の部分が大きい。今後、メジャーに上がってくる選手を含め、しっかり主力に育て上げて「悪しき伝統」を打破できるかが再建の成否を左右する。
文●SLUGGER編集部
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