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「右肩の開きが速すぎる」“最速152キロ”となった大谷翔平の新フォームを米専門家が比較GIFで指摘

SLUGGER編集部

2020.07.27

大炎上の復帰マウンドで大谷に何が起きていたのか。有識者はフォーム変更を原因と指摘する。(C)Getty Images

大炎上の復帰マウンドで大谷に何が起きていたのか。有識者はフォーム変更を原因と指摘する。(C)Getty Images

 7月26日現地時間、日米のファンが待ち望みにしていた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の693日ぶりの登板は、まさかの1アウトも取れずに5失点という衝撃的な結果に終わった。

 30球を投じてストライク15球、3四球を与えたコントロール以上に不安となったのが、最大の武器である剛速球のスピード低下だ。日本で最速165キロ、渡米1年目にも162キロ、平均で155.6キロを計時していた速球はこの日、最速152キロ、平均149キロという“別人”のような球速になっていた。

 大谷は術前から抜群の制球力を持っていたわけではなく、圧倒的な球威で打者を封じ込めることで空振りを奪い、ストライクカウントを整えていたピッチャーだ。スピードという大きな武器を失えば、その投球が色褪せるのは当然。変化球も簡単に見極められてしまい、奪った空振りはゼロ(!)。大炎上の結果につながってしまった。

 一体、大谷に何が起きていたのだろうか。『CBSスポーツ』でライターを務めるダニー・ヴィエッティ記者は、大谷が故障する前の101マイル(162キロ)を投じたフォームと26日のフォームを同時比較したGIFを作成し、「右肩の開きが速すぎる」ことが球速低下の要因だと指摘する。
 
 実際にGIFを確認すると、術前の大谷は投球の直前まで左肩で力を溜め込み、そこから一気に右肩が回転してパワーを生み出していることが分かる。一方、この日の大谷のフォームは、左足が地面に接地すると同時に右肩がすでに打者と正対していた。ヴィエッティ記者はさらにこう言及している。「腕の振りが明らかに遅くなっており、大谷は以前よりも身体の捻りを使おうとしていた。しかしその結果が、肩の速い開きにつながってしまった(だから、力が溜められず、スピードが落ちていた)」。

 大谷はトミー・ジョン手術を明けた後、右ヒジの負担を軽減するために新しいフォーム習得に挑戦していた。肩よりヒジが高くくる「逆W」から、左足が着地した時に手首がヒジより高くくる形への変更だ。新フォームは世界最多セーブ保持者のマリアーノ・リベラや、サイ・ヤング賞投手のクリフ・リーに近い肩&ヒジのラインとなっている。大谷の目指す現在のフォームの理想型でも剛球を操る投手は多くいることから、「フォーム改造=スピード低下」とは必ずしも言えないだろう。

 おそらく今回の炎上劇は、新型コロナウイルスによる変則シーズンで、新フォームの調整期間があまりに短すぎたことが大きな原因と見ていいのではないか。今季の二刀流が明言されている大谷は、中6日でマウンドに上がることになる。打者としても出場しながら新フォームを習得していくのは容易ではないだろうが、徐々に調整・適応していくことに期待したい。

構成●SLUGGER編集部

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