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MLB

【MLB珍獣図鑑】報復死球で話題のジョー・ケリーはおバカなことにも全力投球のいたずら好き

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2020.07.29

現DeNAのオースティンとの乱闘事件で名を馳せたケリー。今回もアストロズ相手にひと暴れした。(C)Getty Images

現DeNAのオースティンとの乱闘事件で名を馳せたケリー。今回もアストロズ相手にひと暴れした。(C)Getty Images

 現地時間28日、アストロズ対ドジャースの今季初対決が行われた。17年ワールドシリーズでアストロズがサイン盗みを行っていた因縁もあり、やはりひと波乱あった。ドジャースの救援右腕ジョー・ケリーがアレックス・ブレグマンとカルロス・コレアの頭部目がけて危険球を投じ、さらにコレアを三振に仕留めた後にも煽りまくったのだ。

 このケリーは、もともと球界きってのいたずら好き。12年から14年途中まで在籍していたカーディナルス時代から、数々の伝説を残している。中でも本人が「最高傑作」と自負するのが、「車中ウ●コ放置事件」だ。ある時、チームメイトにいたずらを仕掛けられたケリーは復讐を決意。その選手が試合に出場している間(!)、バッグに動物の糞をどっさり入れて駐車場に置いてあった彼の車に放り込んだのだ。

 チームは直後に遠征へ出発したため、気温40度近くに達することも珍しくない真夏のセントルイスで、芳香剤の代わりにウ●コが仕込まれた車が1週間も放置されることになった。車内の状況を想像しただけでも恐ろしいが、それを「最高傑作」と胸を張るケリーもどうかしている。
 
 ドジャースと戦った2013年リーグ優勝決定シリーズでは、「国歌斉唱我慢比べ事件」というのもあった。試合前の国歌斉唱でダグアウト前に整列する際、ケリーは最後の一人になるまで立ち続けることをひそかなノルマにしていた。ところが、相手ドジャースのスコット・バンスライクがこれに気付いた。

 第6戦、静かな戦いの火ぶたが切って落とされた。国歌斉唱が終わり、他の選手が試合の準備を始めてもケリーとバンスライクは立ったまま。最後は球審が「お前らいい加減にしろ!」と諫めてようやくベンチに引き下がった。アメリカでは大学野球などでたまに見られる光景らしいが、ワールドシリーズ進出を賭けた場でやってのけるとは前代未聞。日本だったら球界、ファン、マスコミと全方位から集中砲火を浴びること間違いなしだろう。
 

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