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プロ野球

重圧から解放された愛すべき“野球小僧“「ボーア劇場」に高まる期待

市川いずみ

2020.08.02

7月は7本の本塁打を放ったボーア。チームの上位進出に、この大砲の活躍は欠かせない。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

7月は7本の本塁打を放ったボーア。チームの上位進出に、この大砲の活躍は欠かせない。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 まずは阪神ファンを代表して謝りたい。

 ジャスティン・ボーアさん。「また外れ助っ人やん!」と思っていてすみませんでした!

 そして、今は何よりもボーアがグラウンドでハッスルする姿が愛くるしくてたまらない。バースの再来と謳われ、4番候補としてメジャーリーグのエンジェルスからきた期待の助っ人。メジャー通算92本塁打を誇る左の大砲!のはずだったが、春先のオープン戦は8試合に出場し、打率.200、本塁打なしと不安にならざるを得なかった。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期。これがボーアにとっていい時間となったようだ。

 練習試合が再開され、6月2日の広島戦では広い甲子園にアーチを描いた。サイレントトリートメントでチームメイトに迎えられると翌3日、4日と3戦連発で特大本塁打。チームの活動自粛中に昔のビデオをみるなどして自身の打撃を確認できたこともきっかけとなったのかもしれない。

 さらに、チームの活動が再開した後の取材では「(当時)生後8か月の赤ちゃんがいるので家族でゆっくり過ごしたよ。おむつをたくさん換えたよ」と自らイクメンぶりを明かした。キャンプの時など、これまでは野球以外の質問を投げかけても真面目に野球の話にもっていくなど、それほど快く答えるといった印象はなかった4番“候補”から、ほーんの少しリラックスした雰囲気が伺えた瞬間だった。
 
 ただ、そのままの雰囲気でスタートを切れるほど甘くはなかった。6月19日に約3か月遅れで開幕。巨人との一戦で、もちろん4番に名を連ねたが、捕邪飛、三振、三飛、併殺打と見せどころのないまま初戦終えた。2戦目も4打数無安打。中でも7回に左腕・高木京介対峙した第4打席がファンを不安にさせた。チームは2点を追っており、2死満塁と最大のチャンスで打席が回ってきた。MLB時代から“左腕が苦手”と言われており、結果は見逃し三振。

 練習試合でも左腕からの安打はなく、不安的中の結果となった。筆者からみてもその見逃し方から打てる雰囲気を感じ取ることはできなかった。もちろん阪神担当記者からは対左腕についての質問が飛ぶのであるが、本人は頑なに「左投手でも関係ないよ」と繰り返した。元メジャーリーガーのプライドもあるのだろう。しかし、続く3戦目で早くも4番を外れると開幕からわずか1週間でスターティングメンバ―からも名前が消えた。
 

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