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「悪い兆候が…」大谷翔平、最速156キロが突如143キロに減退し、米専門家は右ヒジの損傷を匂わす?

SLUGGER編集部

2020.08.03

復帰2登板目も“以前”の大谷は見せられず。試合中には突如スピードが下降する場面も。(C)Getty Images

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は現地時間2日、ヒューストン・アストロズ戦に先発した。805日ぶりの勝利を目指した復帰2登板目は、初回を先頭の三振を含む三者凡退に抑えたものの、2回に5つの四球を与えるなどして1.2回で5四球2失点5奪三振という内容だった。しかし、結果以上に不安となるデータを現地の専門家が危惧している。

 先週の復帰登板では最速152キロ、平均149キロと手術前の大谷のスピードからはほど遠い出来に終わったが、この日は初球に前回の最速を超える速度を計時。2回には最速156キロをマークするなど、速球の球威は手術前のクオリティに限りなく近づいた……かに見えた。

 しかし2回、3者連続四球からの2連続三振で2死満塁となった後、9番にフルカウントから押し出し四球を出してから事態は急変する。突如として速球は143キロ台と一気にスピードが落ちてしまうのだ。結果、2つめの押し出し四球となり、これを見たベンチは降板を指示。大谷は50球でマウンドを後にしたのだが、この急変ぶりをMLB.comでデータ解析を行うマイク・ペトリエーロ氏は「悪い兆候がある」として自身のツイッター(@mike_petriello)を更新した。
 
 その投稿には、大谷がこの日投じた速球のスピードチャートの画像が付けられていた。45球目までは平均95マイル前後(153キロ)で推移しているのだが、46球目を境に5マイル(8キロ)以上も球速が下降している様が明瞭となっており、大谷の変調ぶりが一目で分かる内容になっている。

 振り返れば、大谷の渡米1年目の2018年。トミー・ジョン手術を受ける前の最後の登板でも、1~2回に平均96マイル(154キロ)以上を計測していたものの、3回の40球を超えたあたりで球速が92マイル(148キロ)以下に減退。そして登板直後に、右ヒジに重大な損傷があることが発覚し、メスを入れることになった。

 大谷にとって2度目となる「試合中のスピード大幅下降」は、確かに「悪い兆候」と感じざるを得ないだろう。もしくは、2死満塁の場面で手応えのあった球がボールと判定(計測上はストライクだった)されて気落ちしてしまい、力が入らなくなったと捉えられなくもないが……。何はともあれ、杞憂で終わることを祈るばかりである。

構成●SLUGGER編集部
 
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