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ホワイトソックスの4者連続ホームランで思い出す、斎藤隆が涙した“ドジャースの奇跡”

SLUGGER編集部

2020.08.17

グランダル(右上)、ヒメネス(右下)らの揃い踏みで、史上10度目の4者連続HRが達成された。しかし、斎藤(左)が経験したものほど、劇的なものはなかったはずだ。(C)Getty Images

グランダル(右上)、ヒメネス(右下)らの揃い踏みで、史上10度目の4者連続HRが達成された。しかし、斎藤(左)が経験したものほど、劇的なものはなかったはずだ。(C)Getty Images

 現地時間16日に行われたメジャーリーグで、驚きの快挙が達成された。シカゴ・ホワイトソックスが本拠地で迎えたセントルイス・カーディナルスとの一戦で、2番のヨアン・モンカダ、3番のヤズマニ・グランダル、4番のホゼ・アブレイユ、5番のエロイ・ヒメネスが何と4者連続ホームランを記録したのだ。メジャー史上10度目、チームでは2008年8月14日以来となる金字塔となった。

 今回の記録にはさらなる“オマケ”があり、4本はいずれも同じ投手から放っている。ロエル・ラミレスはこの日が嬉しいメジャー初登板だったが、まさかの大大大炎上で、史上初となるデビュー戦での4者連続弾という不名誉な形で名前を残すことになった。

 4者連続ホームランが初めてレコードブックに登場したのは1961年6月8日、ミルウォーキー・ブレーブス(当時)のハンク・アーロンらがシンシナティ・レッズ戦で成し遂げた時だ。その後、63、64年と高い頻度で現れたが、以降42年間にわたって達成されることはなかった。そして、その久しぶりの登場に“一役”買ったのが、実は斎藤隆である。
 
 自身の夢を叶えるため2006年、36歳にして渡米を決意した斎藤はマイナー契約でロサンゼルス・ドジャースに入団した。日米のファンも当時はほとんど期待していなかった中で、“オールド・ルーキー”は快刀乱麻の投球を見せる。絶対的抑えのエリック・ガニエの故障もあってクローザーを務めると、15試合連続無失点をはじめ前年地区4位に終わったチームの優勝争いの原動力になったのだ。

 その中で9月18日、0.5ゲーム差で背中を追うサンディエゴ・パドレスとの首位攻防戦が本拠地で行われた。パドレス1点リードの6対5で迎えた9回表に斎藤は登場。この時点で64試合を投げて防御率1.93と活躍した右腕に、ドジャースはその裏の反撃ムードを高める投球を期待していたのだが、斎藤はまさかの3点を失ってしまう。パドレスには当時世界歴代最多セーブを誇っていたトレバー・ホフマンも控えており、「もう終わった……」と、満員だったファンの数も気付けば半分近くに減っていた。

 ベンチで大きく落胆する斎藤。しかし、この姿を見たチームメイトたちは燃えに燃えた。斎藤に向かって「お前がいたから、優勝争いができているんだ」と声を掛けると、ここからドラマのような奇跡が起きるのだ。
 

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