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『ジャッキー・ロビンソン』で主役の名優チャドウィック・ボーズマンがジャッキー・ロビンソン・デーに逝去。球界からも惜しむ声が

THE DIGEST編集部

2020.08.29

『42』でロビンソンを演じたチャドウィック氏が“記念日”に逝去した。左はロビンソンの妻レイチェルさん。(C)Getty Images

『42』でロビンソンを演じたチャドウィック氏が“記念日”に逝去した。左はロビンソンの妻レイチェルさん。(C)Getty Images

 奇跡の符号か、神の悪戯か。

 MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画『ブラックパンサー』で主人公のブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマン氏が現地時間28日、結腸癌のため43歳の若さで亡くなった。代理人によると、チャドウィック氏は過去4年間、闘病生活を送っていたという。

 悲報は世界中に届けられ、「Chadwick Bosema」、「Black Panther」、映画の中で登場する「Wakanda Forever(ワカンダよ、永遠に)」といった言葉がワールドトレンドの上位を独占するなど、多くのファンが悲しみに暮れている。そしてこれは、メジャーリーグにおいても同様だ。

 2013年、チャドウィック氏は『42 ~世界を変えた男~』(邦題)においてジャッキー・ロビンソン役を演じた。ロビンソンは事実上、メジャーリーグ初の黒人選手として1947年にロサンゼルス・ドジャースでデビュー。黒人差別が平然と横行していた当時のアメリカ社会において、ロビンソンは数々の罵倒や殺害予告を受けながらも反抗することなく戦い続け、球界のみならず社会における黒人への地位向上に貢献した人物である。
 
 2004年4月15日、メジャーリーグはこの日を『ジャッキー・ロビンソン・デー』として祝典を行うことを決めると、07年からは選手や監督などが彼の背番号『42』を着用してプレーするようになった。もっとも、今年はコロナ禍の影響で開幕が遅れたこともあり、『ジャッキー・ロビンソン・デー』は8月28日に移されることになった。奇しくも、フィールドでロビンソンの栄光が称えられるのと同じ日に、チャドウィック氏が亡くなったわけである。

 だからこそだろう、球界関係者からはチャドウィック氏の逝去を悼む声が多数届いている。「ジャッキー・ロビンソンを演じた素晴らしい俳優が、ジャッキー・ロビンソン・デーに亡くなった。言葉が出ないよ」(『USAトゥデイ』紙のボブ・ナイチンゲール記者)、「ジャッキー・ロビンソン・デーを演じた傑物がこの日に亡くなった。とても悲しい」(『ジ・アスレティック』のジェイソン・スターク記者)、「R.I.P チャドウィック・ボーズマン。僕はあなたのファンでした。本当に本当に悲しいです。親族御関係者の方へお祈りしてます」(ニューヨーク・メッツのマーカス・ストローマン投手)。

 こうした声はほんの一部である。チャドウィック氏が成し遂げてきた功績は、球界にとっても非常に大きなものだった。

構成●THE DIGEST編集部
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