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MLB

「今夜のケンタならどんな投手でも投げ勝つ」サイ・ヤング賞有力ビーバーを上回る投球を見せた前田健太を指揮官が大絶賛!

SLUGGER編集部

2020.09.12

最強投手ビーバーとの投げ合いを制して5勝目を挙げた前田。指揮官も惜しみない称賛を送っている。(C)Getty Images

最強投手ビーバーとの投げ合いを制して5勝目を挙げた前田。指揮官も惜しみない称賛を送っている。(C)Getty Images

  指揮官の言葉が、この日の、いや今年の前田健太の素晴らしさを物語っている。

 ミネソタ・ツインズの前田健太は現地時間11日、本拠地で行われたクリーブランド・インディアンス戦に先発すると、7回4安打無失点、2四球7奪三振の投球を見せて今季5勝目を手にした。これがただの1勝だったなら、“ただの”賛辞で済んだかもしれない。しかしこの日の白星ほど、今のメジャーでもトップクラスのものはないだろう。

 この日対戦したインディアンスの先発シェーン・ビーバーは、この試合時点で勝利(7)、防御率(1.25)、奪三振(94)でメジャートップに君臨するサイ・ヤング賞当確の相手だ。地区優勝争いをする相手ともあり、まさに大一番と言える試合だった。しかし蓋を開けてみれば、“ケンタ・ショー”がターゲット・フィールドで開演された。

 2勝0敗、防御率0.82と得意にしているインディアンス打線を、この日もチェンジアップとスライダー、4シーム、そしてダルビッシュ有のYouTubeで習得した2シームを駆使して沈黙させ、初回からスコアボードに0が並ぶ。7回までに許したヒットはわずか4本、すべて単打に抑え、自らの好守や牽制で反撃の芽を紡いでいく。

 前田の好投に野手陣も応え、“最強投手”から2本のホームランを放って3点を援護。投打がまさに噛み合って、ビーバーに今季初黒星をつけたのだった。
 
 そして、この日の前田のパフォーマンスを、最大級の言葉で称賛したのが指揮官のロッコ・バルデリだ。「今夜、我々は世界最高の投手の一人と対戦することになり、我がチームが誇る最高の投手をマウンドに送った。そして、チームは見事に勝ち、そして我が投手が制した」と頬を緩ませると、最後にこう締めくくった。

「今夜のケンタならば、相手がどんな投手でも投げ勝っていただろう」

 前田はこの試合を終えて、今季成績を9先発5勝1敗、防御率2.43、63奪三振とした。サイ・ヤング賞レースは、やはりまだまだビーバーが先を行っているのは間違いない。それでも、WHIP(1投球回あたりの走者数)はメジャー1位の0.73と、“最強投手”を上回る数字を残している。「今夜」と言わず、「今年」の前田が本当に素晴らしいピッチングを見せているのは間違いない。

構成●SLUGGER編集部

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