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MLB

「マエダはボールの魔術師だ」2000年代最強投手、ペドロ・マルティネスが前田健太の投球術を絶賛!

SLUGGER編集部

2020.09.14

前田の凄さを、殿堂入りの大投手が独特の表現で称えた。写真:田口有史

前田の凄さを、殿堂入りの大投手が独特の表現で称えた。写真:田口有史

 今シーズンの前田健太は、文字通り“メジャー屈指”の投手として躍動している。

 ロサンゼルス・ドジャースからミネソタ・ツインズへ移籍した今シーズン、前田はレパートリーを刷新。昨季までは投球全体の35%前後が4シームだったが、今季は18%近くまで減らし、代わりに以前からメジャー屈指の数字を残していたチェンジアップとスライダーを多投するようになった。

 そしてここまでの投球を見るに、その決断は正しかったようだ。9月11日のクリーブランド・インディアンス戦ではサイ・ヤング賞大本命のシェーン・ビーバーと投げ合い、彼に今季初黒星をつける7回無失点ピッチング。二塁を踏ませぬ投球に、指揮官も「今夜のケンタなら、どんな投手でも投げ勝つ」と惚れ惚れしていたほどである。今季成績は9先発して5勝1敗、防御率2.43、K/BB6.30と素晴らしい数字が並んでいるが、特筆すべきはWHIP(1投球回あたりに許した走者数)がメジャー1位の0.74をマークしている点だろう。

 そんな前田を大絶賛しているのが、サイ・ヤング賞3回、通算219勝を挙げて殿堂入りも果たした、WHIPのシーズン記録を保持するペドロ・マルティネスである。1990年代後半から2000年代前半にかけて他を寄せ付けぬ存在だったペドロは、自身のツイッター(@45PedroMartinez)で前田について言及した。
 
「ケンタ・マエダは自分のやっていることをよく理解している。打者を圧倒しているわけではない。しかし、打者の裏をかいて抑えている。ただ“投げている”のではなく、しっかり“投球”しているのだ。彼はまさにボールの“魔術師”だ。あらゆるコースにボールを消失させるような投球をしている」

 ペドロの言うように、前田のスピードはメジャー平均を下回っており、その球威で抑えているわけではない。コントロールと一言で言うには乱暴なほど、あらゆる球種を同じ軌道で投げる「ピッチトンネル」を駆使する超絶技巧を発揮しているのだ。打者が速球だと思って振ると、煙に巻かれたようにあっけなく他の球種で空振りする姿は、皆さんもよく目にしているだろう。そうした技術を評価して、“最強投手”が前田を「魔術師」と表現しているのだと思われる。

 ちなみに、ペドロが2000年に記録したWHIPは現在の前田と同じ0.74。シーズン60試合の超短期決戦とはいえ、歴代ベストに近い数字を前田は残しているわけである。もっとも、この年のペドロは217.0回を投げての数字であるし、何より彼に次ぐWHIPリーグ2位が1.19、防御率も1位ペドロ(1.74)と2位(3.70)が2点以上も違うなど、超打高投低時代に記録したものなので、単純に比較できないことは改めて留意したい。

 逆に言えば、そんな傑出した球史に残る存在からも一目を置かれているという事実が、前田の凄さを証明しているではないか。

構成●SLUGGER編集部
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