プロ野球

【2020ドラフト候補ランキング:1~10位】中京大中京・高橋の評価が急上昇! 即戦力度ナンバーワンなら栗林か

西尾典文

2020.09.25

早大の早川(左)、中京大中京の高橋(右)。どちらも将来のエースとして高い評価を集めている。写真:徳原隆元、山手琢也

 昨年12月に2020年のドラフト候補ランキングをいち早く発表したが、前回1位だった山崎伊織(東海大)がトミー・ジョン手術を受けて社会人入りを表明したこともあり、大きく順位が変動した。今後の注目はやはり高橋宏斗(中京大中京)の動向だ。このままプロ志望届を提出しなければ、また大きく順位が変わる。大学生、社会人はここから公式戦が本格化するだけに、再び浮上してくる選手も多く出てくるだろう。最終版はドラフト直前に発表する。

▼1位:高橋宏斗[投手・中京大中京高](前回順位:17位)
(たかはし・ひろと/右投右打)
将来像:菅野智之(巨人)
 昨秋から急成長を見せて一気にドラフトの目玉とも呼べる存在となった。150キロを超えるストレートは数字に見合う威力があり、そしてそのスピードボールをしっかりとコントロールできるところも大きな長所。長いイニングを投げても球威が落ちず、スライダー、カットボール、フォークなど変化球も大きくレベルアップした。大学進学を基本線としながらも、高校からのプロ入りについても可能性は残していると言及しており、その動向がドラフト全体に与える影響は極めて大きいだろう。
タイプ診断:#本格派 #スター候補 #急成長

▼2位:伊藤大海[投手・苫小牧駒沢大](前回順位:3位)
(いとう・ひろみ/右投右打/駒大苫小牧高)
将来像:津田恒実(元広島)
 総合力では大学ナンバーワン投手と言える存在だ。秋のリーグ戦で、いきなり完封勝利をマーク。2試合目の先発では味方の援護がなく負け投手となったが、翌日は抑えとして最終回をしっかり締めてリベンジを果たした。大学日本代表ではクローザーを任されており即戦力として考えるならリリーフだが、先発でもカットボールを中心に組み立てて試合を作る能力も高い。投手陣が手薄な球団が複数入札することも十分に考えられるだろう。
タイプ診断:#リリーフタイプ #火の玉ストレート #地方リーグ
 
▼3位:早川隆久[投手・早稲田大](前回順位:5位)
(はやかわ・たかひさ/左投左打/木更津総合高)
将来像:和田毅(ソフトバンク)
 9月に行われた東京六大学の春季リーグ戦では自己最速を更新する155キロをマーク。昨年までと比べて明らかにストレートが力強くなり、球威で圧倒するようなピッチングができるようになった。元々フォームの良さと制球力には定評があったが、そこからさらに凄みが加わった印象を受ける。しかしその一方でここ一番で踏ん張れず、勝ちきれないのは課題だ。秋のリーグ戦では結果でも圧倒的なものを見せてもらいたい。
タイプ診断:#本格派左腕 #先発タイプ

▼4位:栗林良吏[投手・トヨタ自動車](前回順位:9位)
(くりばやし・りょうじ/右投右打/愛知黎明→名城大)
将来像:則本昂大(楽天)
 今年のドラフト候補で即戦力度ナンバーワンと言えばこの栗林になる。大学時代から常に結果を残し続けており、社会人1年目も圧巻の成績を残している。9月16日に行われた都市対抗二次予選の初戦では、注目が集まる中でも7回を投げて被安打2、無失点、10奪三振と見事なピッチングを披露してみせた。プロでも1年目から先発ローテーション入りが期待できるだろう。
タイプ診断:#即戦力 #スタミナ

▼5位:木沢尚文[投手・慶応大](前回順位:4位)
(きざわ・なおふみ/右投右打/慶応高)
将来像:大瀬良大地(広島)
 昨年まではなかなか先発で結果を残すことができなかったが、春のリーグ戦でいきなり16奪三振の快投を披露し、成長したところを見せつけた。コンスタントに150キロを超えるストレートの勢いは申し分なく、140キロ近いスピードで鋭く変化するカットボールの制球力も大きく向上。変化球を上手く使って抑えられるようになった。リリーフであれば球威で圧倒することもできるし、先発候補としても面白い存在だ。
タイプ診断:#ドクターK #剛腕