プロ野球

「西武ライオンズ」が通算3000勝を達成。どん底から史上屈指の常勝球団へと上り詰めた証

SLUGGER編集部

2020.09.24

ライオンズは“西武”の名を冠してから通算3000勝。所沢移転直後のどん底の状態から、常勝球団まで上り詰めた勲章だ。写真:産経新聞社

 埼玉西武ライオンズが9月23日の日本ハム戦で挙げた今季37勝目は、西武が球団を買収し、1979年に福岡から所沢へ移転してから通算3000勝目にあたる。では、同じ期間で他のチームはどれくらいの勝ち星を挙げているのだろうか。西武を含め、当時から存在していた11球団の勝利数をまとめると以下のようになる。

1 巨人 3050勝
2 西武 3000勝
3 中日 2805勝
4 広島 2791勝
5 ソフトバンク 2762勝
6 日本ハム 2716勝
7 オリックス 2684勝
8 阪神 2661勝
9 ヤクルト 2654勝
10 ロッテ 2581勝
11 DeNA 2485勝

 3000勝に到達しているのは、西武以外では巨人(昨年9月23日に達成)だけ。巨人の場合、球団創設時からずっと強豪であり続けてきたが、西武は所沢に移転する直前はどん底状態だっただけに、その後の大躍進がより一層際立つ。
 
 ライオンズの苦難は前身である西鉄時代の70年、球界を揺るがす八百長スキャンダル「黒い霧事件」が発覚したことから始まる。この事件によって主力4選手が永久追放処分となったことで、戦力が大きく低下。さらに人気も低迷して経営状態が急激に悪化し、親会社の西日本鉄道は、72年に元ロッテのオーナーだった中村長芳へ球団を売却せざるを得なくなった。その後はネーミングライツによって太平洋クラブ、クラウンライターと立て続けに球団名が2度変わるも、チーム状態は立て直せないまま、78年オフに西武鉄道グループに身売りされた。

 所沢移転1年目の79年も、史上ワーストの開幕12連敗と滑り出しは最悪で、この年は45勝73敗12分で最下位に終わる。80、81年もBクラスに終わったが、この間に球団管理部長の根本陸夫が着々と戦力を整え、広岡達朗監督を招聘した82年に日本一。そこからは球史に残る常勝チームに生まれ変わった。83年にも日本一に輝くと、85年から4年連続でリーグ制覇を達成し、1年置いて90年からまた5連覇。10年間で9度のリーグ優勝、6度の日本一を成し遂げ、プロ野球史上でもV9巨人に次ぐ強さを誇った。

 その後は当時ほどの圧倒的な強さはないものの長期低迷もなく、06年まで史上最長記録の25年連続Aクラスを達成。所沢移転後41年間で18回のリーグ優勝、10度の日本一はともに巨人を上回って最多だ。3000勝達成は、西武となってからは巨人と並ぶ、いや、巨人以上の常勝球団になったことの証と言っても決して大げさではない。

構成●SLUGGER編集部

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