プロ野球

新型コロナ感染で主力大量離脱のロッテ。伸び悩むプリンスがチームを救う日は来るのか

SLUGGER編集部

2020.10.06

18年には112試合に出場した平沢だが、今季はまだ一軍出場がない。写真:産経新聞社

 10月6日、ロッテは選手、スタッフを含め計11人が新型コロナウイルスに感染していたことを発表。4日に陽性判定が出た岩下大輝を含め、計8人の主力選手が戦列を離れる異常事態となった。今日までに感染が判明した選手は以下の通り。

▼投手
岩下大輝
▼内野手
藤岡裕大
鳥谷敬
三木亮
▼外野手
荻野貴司
角中勝也
清田育宏
菅野剛士

 当然、この8人はしばらく試合に出場できない。加えて外野手の和田康士朗、投手の東妻勇輔、小野郁、山本大貴も濃厚接触者として一軍登録を抹消される。現在、首位ソフトバンクに2ゲーム差と迫るチームにとっては、まさに大打撃となった。
 
 だが、今後も公式戦はスケジュール通り行われる予定で、前を向いて戦い続けるしかない。今後の選手起用を考えると、外野はマーティン、福田秀平に加えて岡大海、加藤翔平など一軍経験豊富な選手が多く残っているが、問題は遊撃だ。藤岡、鳥谷、三木はいずれもショートがメインポジションの選手。実際、この3人以外で今季ショートを守ったのは茶谷健太のみで、しかも先発出場は1試合しかない。二塁手の中村奨吾もショートを守った経験があるが、17年は27試合で6失策を喫している。トレード期限もすでに過ぎており、現有戦力で何とかやり繰りするしかない。チームは茶谷に加えて西巻賢二、松田進、ルーキーの福田光輝を一軍に召集。いずれも二軍では少ないイニングながら遊撃でも出場しており、当面は彼らを中心にしのいでいくことになりそうだ。

 だが、ここで注目したいのが2015年のドラフト1位指名選手・平沢大河だ。昨季まで一軍通算128試合でショートを守った実績があり、今季もファームでは正遊撃手を任されている。その平沢が今回、緊急事態にもかかわらず一軍から声がかからなかった最大の理由は打撃不振。ファームでの56試合で打率.142、1本塁打と苦しんでいる。

 仙台育英高時代に甲子園を沸かせ、2球団競合でプロ入りした逸材へのロッテファンからの期待は今も高い。伸び悩む貴公子がチームの危機を救うことになれば最高のシナリオなのだが、果たしてチャンスはめぐってくるだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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