プロ野球

【ドラフト候補タイプ別診断:即戦力】投手では栗林、野手では牧、五十幡の中大コンビが双璧

西尾典文

2020.10.23

大学全日本でも4番を務める牧。即戦力度で言えば、近大の佐藤をも上回る。写真:滝川敏之

 いよいよ26日に迫ったプロ野球のドラフト会議。ここでは、テーマ別に有力候補を紹介していきたい。今回のキーワードは『即戦力』だ。

 投手では早川隆久(早稲田大)に人気が集中することが予想されるが、同じ大学生では伊藤大海(苫小牧駒沢大)の方がわずかではあるが完成度の高さは上回っているように見える。

 そして、即戦力という意味でナンバーワンと言えるのは栗林良吏(トヨタ自動車)になるだろう。社会人でも層の厚さではトップクラスのチームにあって1年目からエースとなると、今年の都市対抗予選でも初戦と代表決定戦という重要な2試合で見事な投球を見せてチームを本大会出場に導いた。150キロに迫るストレートと多彩な変化球をコーナー、低めに集めるピッチングは安定感抜群で、牽制やフォールディングなど投げる以外のプレーも高レベルだ。1年目からローテーション入りする可能性は極めて高い。
 
 社会人でもう一人完成度の高さが光るのが小木田敦也(TDK)だ。ドラフト解禁の年だった昨年は調子を落として指名が見送られたが、今年は見事に復活。150キロを超えるストレートは数字に見合う力があり、変化球のコントロールも昨年と比べて格段にレベルアップした印象を受ける。先発、リリーフどちらでも力を発揮できるというのも大きな評価ポイントだ。

 野手では五十幡亮汰(中央大)がそのスピードで間違いなく即戦力となるが、詳細は『スピードスター』のテーマで触れたい。打撃に関しては五十幡のチームメイトである牧秀悟(中央大)が一歩リードしている印象だ。全国でも最もレベルが高いと言われている東都大学リーグで昨年から安定して結果を残し続けているのは見事という他ない。特に打撃の確実性は野手で一番人気と見られている佐藤輝明(近畿大)を大きく上回っている。堅実な二塁守備に加え脚力を備えているのも魅力だ。