プロ野球

【ドラフト候補タイプ別診断:西尾典文のおすすめ選手】高校生離れしたカットボールが魅力の飯山・常田に注目

西尾典文

2020.10.24

フォームの良さが際立つ常田。公立校の飯山高から初のプロ野球選手となるか。写真:西尾典文

 いよいよ26日に迫ったプロ野球のドラフト会議。今年も多くの選手に注目が集まっているが、THE DIGESTではテーマ別に有力候補を紹介していく。最終回は、年間300試合を現地で取材する西尾典文氏のおすすめ選手を紹介しよう。

 昨年、このテーマで紹介した選手では、鈴木寛人(霞ヶ浦高→広島3位)と小川一平(東海大九州キャンパス→阪神6位)がプロ入りし、小川は下位指名ながら開幕一軍を勝ち取った。2人に共通しているのはフォームに悪い癖がなく、しなやかさと伸びやかさがあるというところ。小川は昨年秋と比べても明らかにスピードアップしているように、こういうタイプは短期間で急成長するケースが多い。

 今年、同じ条件を満たす選手として紹介したいのが常田唯斗(飯山高)と益田武尚(北九州市立大)の2人だ。常田は昨年夏の甲子園で仙台育英に打ち込まれた時もフォームの良さが目立っていたが、あれから1年で見事な成長を遂げている。まだ少し重心は高いものの、上手く上半身の力を抜いて楽に鋭く腕を振ることができている。
 
 コンスタントに140キロ台をマークするストレートも素晴らしかったが、今年に入ってから覚えたというカットボールも高校生レベルのボールではなかった。長野の独自大会準決勝を現地で取材したが、東京ドームでの合同練習会で見事な打撃を見せた高寺望夢(上田西高)も4打数ノーヒットと完璧に抑え込んでいる。素材の良さは高校生の候補の中でも指折りと言えるだろう。

 益田は大学1年の時に初めて見て当時から印象に残っていたが、最後のシーズンでは想像以上の成長を見せていた。175cmと上背はないものの、フォームのバランスが良く、きれいに上から腕が振れるため身長以上にマウンド上で大きく見える。下半身の筋肉の充実ぶりからはかなり鍛えこんだことがうかがえ、フォームの躍動感も申し分ない。