今年も大いに盛り上がったドラフト会議。果たして各チームは事前の狙い通りの指名ができたのだろうか？　事前のチーム状況を改めて整理しながら、広島のドラフトを振り返ってみよう。

【指名選手】
１位　栗林良吏（投手／トヨタ自動車） 
２位　森浦大輔（投手／天理大） 
３位　大道温貴（投手／八戸学院大） 
４位　小林樹斗（投手／智弁和歌山高） 
５位　行木俊（投手／四国ＩＬ・徳島） 
６位　矢野雅哉（内野手／亜細亜大） 
【育成】
１位　二俣翔一（捕手／磐田東高）

　今年のドラフトは、シーズン中誤算続きで投手陣のやり繰りに苦労した現状を鑑み、支配下指名６名中５名が投手と投手偏重の指名となった。中でも、１位～３位を大卒社会人・大学生投手で固めたのは、しっかり補強ポイントに合致した指名だったと言えよう。
  　単独１位指名に成功した栗林は、ルーキーながらエースクラスの投球を続ける森下暢仁に引けを取らない総合力を持ち、１年目から先発ローテーションに入る力をすでに備えた投手だ。

　２位の森浦は球の出所が見えにくいフォームから力強いボールを投じる、広島にいないタイプの左腕で、現投手陣の中では良いアクセントとなるだろう。３位の大道は即戦力度は少々落ちるが、現時点である程度まとまった投球スタイルで、しっかり肉付けしていけば数年後は確実にローテに入ってくる匂いを感じる。この３投手はいずれも１年目からの開幕一軍も可能な存在で、質・量ともに不足する投手陣にいい刺激をもたらしてくれるはずだ。