MLB

いよいよ明後日発表!データで見るダルビッシュのサイ・ヤング賞獲得の可能性

SLUGGER編集部

2020.11.10

好敵手であり、友人でもあるダルビッシュ(左)とバウアー(右)。初のサイ・ヤング賞を手にするのは一体どちらだろうか?

 日本時間11月12日、2020年のサイ・ヤング賞受賞者が発表される。アメリカン・リーグは勝利・防御率・奪三振の投手三冠に輝いたシェーン・ビーバー(インディアンス)で事実上決まり。やはり注目はダルビッシュ有(カブス)とトレバー・バウアー(レッズ)の一騎打ちと見られるナ・リーグだろう。

 ダルビッシュとバウアーの「互角ぶり」は他の年と比べてもかなり際立っている。2人の成績を比較しながら賞レースの行方を考えてみよう。

ダルビッシュ vs バウアー成績比較

 まず、投手三冠ではバウアーが最優秀防御率、ダルビッシュが最多勝のタイトルを獲得。奪三振ではバウアーがリーグ2位の100、ダルビッシュが4位の93で差はほとんどない。イニング数も同様で、ダルビッシュがわずか3イニング上回っているだけ。これでは決め手にはなり得ない。

 こうなると、投票者が投球の「質」をどう考えるかがカギになってきそうだ。
 
 バウアーのアピールポイントはリーグベストのWHIP(1イニング当たりに許した走者の数)と奪三振率の高さ。後者に関しては、奪三振数だけ見ればダルビッシュとの差はあまりないが、9イニング平均にすると、12.33と11.01でかなり違う。

 一方のダルビッシュはK/BB(奪三振と与四球の比)と被本塁打率でバウアーを凌駕している。これは四球を少なく抑えつつ三振を多く奪い、本塁打もほとんど打たれていないことを意味しており、投球全体の安定度ではバウアーを上回っていると考える投票者は少なくないだろう。事実、運不運に左右されやすい要素を除外して算出する疑似防御率FIPでも、ダルビッシュはリーグ1位の2.23を記録している。

 また、「対戦相手の質」という観点から見ても、ダルビッシュは12試合中8試合がシーズン勝率5割以上のチームとの対戦だったのに対し、バウアーはわずか3試合。ダルビッシュの方がより厳しい相手に投げていたことが分かる。

 これらを総合すると、日本人云々ということを抜きにしても、ほんのわずかながらダルビッシュに軍配が上がる……ような気がするのだが、実際の結果はどうなるだろうか?

構成●SLUGGER編集部