専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

固定観念に逆らう工藤監督の“短期決戦モード”。この采配がある限り、ソフトバンクの“CS優位”は揺るがない!

喜瀬雅則

2020.11.14

日本シリーズ3連覇中の工藤監督。プレーオフでは圧倒的な強さを誇り、まさに“短期決戦の鬼”と呼ぶにふさわしい。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

日本シリーズ3連覇中の工藤監督。プレーオフでは圧倒的な強さを誇り、まさに“短期決戦の鬼”と呼ぶにふさわしい。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 工藤公康監督は、人呼んで“短期決戦の鬼”。2015年に就任して以降、クライマックス・シリーズ(CS)突破は実に4度。さらに昨季までの3年連続を含め、日本一にも4度輝いている。

 コロナ禍の影響で、今季のCSはレギュラーシーズン1位と2位による5試合制(3勝先取)の1ラウンドのみとなった。リーグ優勝したソフトバンクには1勝のアドバンテージがつく。今季の方式では日本シリーズに進出するために、最大4戦で2勝すればいいわけだ。

 工藤政権下のソフトバンクは、過去5年のCSにすべて出場。通算22勝8敗で、勝率は.733にも達する。昨季の楽天とのファーストステージでは初戦を落としながら、そこから2連勝してファイナルステージに進出すると、西武に4連勝してリーグ優勝を達成した。つまり現在、CSでは6連勝中ということになり、その強さは際立っている。

 一体、他球団とは何が違うのか? 結論から先に言えば、豊富な戦力を背景にした“早仕掛け”の采配が、功を奏しているということだ。
 
 レギュラーシーズンはおよそ半年の長丁場だ。その長さを俯瞰しながら、選手の疲労を考慮し、故障者を避け、チームコンディションを一定レベルで維持していくという、言わば安定したマネジメントが必要とされる。

 一方、今回のCSは、とにかく先に2勝しなければならない。そこで、「勝てる」と判断した時に、集中的に戦力をつぎ込んでいく。早めの投手リレーを仕掛け、チャンスでは代打陣を惜しみなく起用し、点を奪って逃げ切る。“短期決戦モード”に指揮官の采配が切り替わると、選手たちもそのように動きはじめる。それが“常勝チーム”のメンタリティであり、それぞれの役割を把握している経験値の高さでもある。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号