プロ野球

「日本シリーズ2試合連続2ケタK」千賀はダルビッシュ&今永に続く3人目の快挙なるか?

SLUGGER編集部

2020.11.20

球界最高のドクターK・千賀(左)は日本シリーズでダルビッシュ(右上)、今永(右下)に続く3人目の大偉業を達成できるか期待したい。写真:徳原隆元(千賀、今永)、SLUGGER(ダルビッシュ)

 11月21日、巨人とソフトバンクのセ・パ両リーグ王者が相まみえる日本シリーズが開幕する。昨年と同じ組み合わせとなった頂上決戦、見どころの一つが開幕戦からいきなりやってきそうだ。

 ソフトバンクの第1戦目の先発は、今季11勝・防御率2.16・149奪三振で投手三冠に輝いた千賀滉大だ。最速161キロ、"お化けフォーク"を操る超本格派の豪腕は2年連続で最多奪三振を獲得するなどドクターKとして知られている存在である。

 そんな千賀には、2007年のダルビッシュ有(当時日本ハム)と2017年の今永昇太(DeNA)に続く史上3人目の「日本シリーズで2試合連続2ケタ奪三振」の大偉業を期待したくなる。

 07年に沢村賞の全項目をクリアしてMVPにも選ばれた21歳のダルビッシュはCSでも2勝、1完投の好投でチームを日本シリーズに導くと、中日との第1戦では9回1失点13奪三振で完投勝利をマーク。この日の13奪三振は1999年の工藤公康に並ぶ日本シリーズ記録にもなった。

 1勝3敗で迎えた第5戦は中4日登板なり、2回に先制犠牲フライを許したものの7回1失点10奪三振。日本シリーズ史上初となる2試合連続2ケタ奪三振という快記録が誕生した瞬間だった。もっとも、この時は中日先発の山井大介が8回パーフェクトという衝撃的な投球をしながら、9回に降板した一件が話題となり、あまり知られることなく時が過ぎていく。
 
 そして10年の時を経て、今永がダルビッシュの偉業を掘り起こすこととなった。2017年、リーグ3位からの下克上を果たしてCSを突破したDeNAは19年ぶりに日本シリーズの舞台に進出した。緒戦を1対10で落としたものの、2年目に11勝・防御率2.98とブレイクした今永がソフトバク打線を6回1失点10奪三振に抑え込む。試合は落としたものの、今永の好投が広く知られることになった。

 そして3連敗から2連勝で迎えた第6戦、今永は再び圧巻のピッチングを見せて6回までに9三振。そして、7回に内川聖一から空振り三振を奪い、ダルビッシュに次ぐ史上2人目の「日本シリーズ2試合連続2ケタ奪三振」の偉業を成し遂げたのだった(ちなみに、どちらの試合も今永に白星はついていない)。

 となれば、昨年に奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)11.33でプロ野球新記録を作り、今年も11.08で歴代2位に入った千賀に、期待しない方が難しい。しかも、「ダルビッシュ塾」の門下生でもあるのだから、"師弟"揃って球史に名を残せるのか注目だろう。

 もっとも、昨年の日本シリーズではソフトバンクの4連勝で終わり、千賀の2登板目がなかった。昨年のリベンジを期す巨人が王者相手にどれだけ迫れるか。大記録達成のためには、千賀の投球内容と同時に、シリーズの展開も当然重要になってくる。

構成●SLUGGER編集部
 
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