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「サイ・ヤング賞はデグロムが獲るべきだ」アジア人初の快挙を達成した韓国人左腕が謙虚に語る理由とは?

2019.09.29

アジア人初の最優秀防御率に輝いたリュ。しかし、サイ・ヤング賞争いは厳しい状況になっている。(C)Getty Images

アジア人初の最優秀防御率に輝いたリュ。しかし、サイ・ヤング賞争いは厳しい状況になっている。(C)Getty Images

 メジャーリーグのレギュラーシーズン終了を翌日に控えた現地28日、ドジャースのリュ・ヒョンジン投手が快挙を成し遂げた。この日のジャイアンツ戦を7回無失点に抑え、防御率2.32としてリーグ1位を確定。アジア人初となる最優秀防御率のタイトル獲得という偉業を達成したのだ。

 過去日本人投手では、1995年の野茂英雄、2013年の岩隈久志が2位に迫ったものの、ついぞ届かなかった勲章を手にした韓国人左腕は「防御率のタイトルは贈り物みたいものだよ、サプライズというかね」とコメント。「開幕前は自分の健康面のことばかり気にしていた。30先発したかたったんだ。結果的には29回だったけど、迫ることができてうれしいよ」と、左肩の故障で15~16年はわずか1登板、昨年も15登板に終わったことを気にとめながら、今季を振り返った。
 
 いよいよ投手最高の栄誉、サイ・ヤング賞も視野に入ってきているが、当の本人は「僕はジェイコブ・デグロム(メッツ)が賞にふさわしいと思う」と謙虚に語っている。その理由については、「確かに防御率はリードしているけど、彼は信じられないシーズンを送っている。特にイニング数と奪三振数がすごい。僕はこの2つの成績は重要だと思っているからね」と説明した。実際、リュとデグロムの成績を比較してみると、

[リュ]2.32  《防御率》  2.43  [デグロム]
[リュ]14勝  《勝利数》  11勝  [デグロム]
[リュ]163   《奪三振》  255   [デグロム]
[リュ]182.2  《投球回》 204.0 [デグロム]
[リュ]1.01  《WHIP》  0.97   [デグロム]
[リュ]4.8    《bWAR》 7.4 [デグロム]
 
 リュのコメントどおり、防御率や勝利数といった、いわゆる旧来型の指標ではリュに分があるものの、内容面を評価する指標ではデグロムとの差は歴然としている。前半戦は防御率1.93と好調で、アジア人では野茂以来となるオールスターの先発マウンドを託されたリュだが、その後はやや失速。一方、デグロムは後半戦に猛追し、奪三振、WHIP(1投球回あたりに何人の走者を出したか)、WAR(勝利貢献を示す総合指標)が投手リーグ1位と、リュで確定的と言われたサイ・ヤング賞争いを一気に抜き去った感もある。
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