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MLB

マリナーズの英雄"キング"ことヘルナンデスの"現役ラスト"登板にシアトルのファンが涙

スラッガー編集部

2019.09.27

球団歴代最多勝利記録を持つ“キング”。現役引退を明言したわけではないが、マリナーズ退団はほぼ確実と見られている。写真●Getty Images

球団歴代最多勝利記録を持つ“キング”。現役引退を明言したわけではないが、マリナーズ退団はほぼ確実と見られている。写真●Getty Images

 現地9月26日、マリナーズのエースとして長く活躍した“キング”ことフェリックス・ヘルナンデスがおそらく現役最後のマウンドに立った。本拠地T-モバイル・パークでのアスレティックス戦に先発したヘルナンデスは5.1回3失点で降板。試合はアスレティックスが3対1で勝ち、プレーオフ進出にまた一歩近づいた。

 ベネズエラ出身のヘルナンデスは2002年にマリナーズと契約。マイナー時代から超有望株として期待を集め、05年8月にわずか19歳でメジャーデビューを果たした。09年にはリーグ最多の19勝、10年には防御率リーグベストの2.27を記録してサイ・ヤング賞に選ばれた。14年にも防御率のタイトルを獲得するなど、MLBを代表する好投手として活躍したが、30歳を迎えたあたりから故障もあって徐々に成績が悪化。今季は防御率6点台と苦しい登板が続いていた。
 7年1億7500万ドルの契約は今季いっぱいで終了。来年の契約オプションをチームが更新することはまずないと思われ、FAとなっても獲得球団が現れる可能性は低い。本人が明言したわけではないが、これがメジャーリーグでの最後の登板になりそうなことは、登板前から誰もが感じ取っていた。

 いつもヘルナンデスがホームゲームで登板する際は、黄色いTシャツを着たファンが“キングス・コート”と呼ばれる三塁側の席の一角に陣取るのが定番だったが、この日は球場中が黄色に染まった。

 6回、先頭の打者をセンターフライに打ち取ったところでスコット・サービス監督がマウンドへ。ヘルナンデスは野手と一人ひとり抱擁を交わした後、涙を流しながら帽子を取って“キング・フェリックス!”の大コールに応え、ダグアウトへ下がった。その様子は、今年3月の日本開幕シリーズでイチローに向けられた声援に勝るとも劣らない感動的なものだった。

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