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プロ野球

パ・リーグの個人タイトルがすべて決定。防御率は山本由伸が逆転。野手は山賊打線が席巻!

藤原彬

2019.09.30

山本は高卒3年目で最優秀防御率を獲得。歴史的好投手たちと肩を並べる存在になった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

山本は高卒3年目で最優秀防御率を獲得。歴史的好投手たちと肩を並べる存在になった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 パ・リーグのシーズン全日程が終了し、個人タイトル獲得選手が決定した。

 投手は規定投球回到達者が昨季の9人からさらに減り、わずか5人という前代未聞の少なさ。その一方、50登板以上の投手はリーグ史上最多24人を数えた。

 野手は西武の“山賊打線”が大半のタイトルをかっさらった。2年連続リーグ優勝の原動力として猛威を振るった打線から球団最多タイの8人が規定打席に到達し、そのうち半数がタイトルを獲得。初受賞者が目立つ投手に対して、野手はタイトル争いの常連が多く顔を並べている。

【投手】
■最優秀防御率 山本由伸(オリックス)防御率1.95 初受賞
 昨年の王者ソフトバンクを9回1安打に抑えながら勝ち投手になれなかった今季初登板は、今思えばシーズンを象徴していた。その後も援護に恵まれず白星が伴わなかったが、防御率が2点台に突入することさえなく推移。左脇腹を痛めて8月上旬から1ヵ月戦線を離脱しながら、チーム最終戦で規定投球回に滑り込んでタイトルを獲得した。高卒3年目での最優秀防御率はここ30年で大谷翔平に次いで2人目、高卒3年目での1点台はダルビッシュ有に次いで2人目という快挙づくしだった。

■最高勝率 山岡泰輔(オリックス) 勝率.765 初受賞
 プロ入り3年目で初めて任された開幕戦では白星を挙げることはできなかったが、2登板目から4連勝。こちらもシーズン最後の登板でタイトル獲得の条件である13勝(4敗)に到達し、自身初の個人タイトルを手に入れた。楽天からは6勝と抜群の相性。一昨年、昨季は今季とほぼ同じ防御率を記録しながら負け越したが、ようやく運が巡ってきたた。

■最多勝利 有原航平(日本ハム) 15勝 初受賞
 開幕から4連勝と好スタートを切って3・4月の月間MVPを受賞。対戦が1試合だけの西武以外のパ4球団から各3勝以上を挙げるなど、苦手を作らず。新球ツーシームを有効に使って、一皮むけた姿を見せた。最優秀防御率こそ逃したが、2017年にリーグ最多敗戦(13敗)を喫したリベンジを果たした格好だ。
 
■最多セーブ 松井裕樹(楽天) 38セーブ 初
 1983年に江夏豊(日本ハム)がマークした34セーブを上回り、左腕としてはリーグ史上最多記録を更新。クローザーの座から陥落した昨季から巻き返し、球団初のセーブ王に輝いた。奪三振率13.82と被打率.165は50投球回以上ではリーグベストと相手打者を力でねじ伏せたが、チーム最多の8敗を喫している。

■最優秀中継ぎ 宮西尚生(日本ハム) 44ホールドポイント 2年連続3度目
 通算300ホールドを通過点にして12年連続50登板もクリアし、16、18年に続く3度目のタイトルを獲得した。昨オフに左ヒジの骨棘滑膜を切除する手術を受けたが、防御率は昨季とほぼ同じ1点台後半。奪三振率を約2も上昇させながら与四球はわずか6つで、12球団全投手最高のK/BB8.50を叩き出すなど投球により磨きをかけた。

■最多奪三振 千賀滉大(ソフトバンク) 227奪三振 初
 自己最速161km連発の衝撃とともに開幕し、4月の4先発はいずれも2ケタ奪三振。5月と6月に2ヵ月連続で月間MVPを獲得した。正念場の7~8月に防御率5点台と大崩れしたが、9月6日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成。育成出身選手としては初の快挙で、毎回奪三振(12個)を記録したのも初めてだった。さらに、奪三振率11.98は石井一久を抜いて日本新記録を樹立という、新ドクターKとして名乗りを上げた。
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