ストーブリーグが繰り広げられているMLB。各地元メディアは2021シーズンに向けてチームが何をすべきなのか模索する記事を上げている中、菊池雄星(シアトル・マリナーズ)に関して、地元紙『シアトル・タイムズ』は「選手の計画:ユウセイ・キクチにとってメジャー3年目はファンを魅了する年になるだろうか」とした記事を寄稿。過去2年の総括と来季への課題について分析しているのだが、同時に菊池への「失意」にあふれた内容だった。
菊池の1年目は32先発して6勝11敗、防御率5.46、2年目の今季は9先発で2勝4敗、防御率5.17。同記事ではまず、菊池の2年間について「メジャーリーグの投手とは思えないほど未知数のままだった」と総括。
その中で1年目は日本からの移籍での戸惑いに加えて、父の逝去、第一子誕生と家庭環境の変化もあって致し方ないとしたものの、今季は「ルーキーシーズン以上に安定していなかった。マリナーズが29歳の左腕に期待しているものが何かを、説明することは不可能である」と厳しい評価を下した。
エース左腕のマルコ・ゴンザレスとの二枚看板を期待されて3年4300万ドル(約44億8000万円)の契約を与えられた菊池だが、「今ではマリナーズの先発3~4番手レベルでしかない」とし、彼の不振によってチームはオフシーズンに先発投手の補強をしなければならいないと、チーム戦略に大きな影響を及ぼしているとも述べた。
これだけ地元紙が厳しい論調となっているのも、菊池の金額面はもちろん、今季の期待が高かったことも要因だった。1年目の不振を受けて、菊池は昨オフにデータ会社や選手の"魔改造"で人気を集める『ドライブライン』の門戸を叩き、抜本的なフォームの見直しを行った。そしてこれは奏功し、スプリング・トレーニングでは98マイル(156キロ)を何度も計測するなど、球団首脳やファンを喜ばせていた。
しかし、「マリナーズが期待していたことは訪れなかった」。日本式の中6ローテーションを採用して環境面も整え、菊池の4シームの平均球速も昨年の92.5マイル(148.8キロ)から95マイル(152.8キロ)、カッターは86マイル(138.4キロ)→92.1マイル(148.2キロ)と大幅なスピードアップとなった。しかし上述の通り、菊池は2年連続の防御率5点台に終わっている。
同記事では「安定してストライクを投げ込めなかった」ことを原因に挙げた。菊池の投球全体のストライク率は51%、初球では50.5%と打者を追い込めず、与四球率も3.83(昨年は2.78)と平均を下回り、一度も7回まで投げられなかった。こうした数字は、二枚看板の"一角"ゴンザレスのストライク率64.3%、与四球率0.90と比較すると、かなり低いことがよく分かる。
ここまで落胆の声が続いた中、契約最終年の来季は「メカニクスと球速アップのやり方を見つけたのは好材料だった。あとはコマンドをどう改善するか」と、明確な課題を克服できれば……という、前向きな形で締めくくられている。果たして菊池は、"勝負の3年目"に光り輝くことはできるのか。オフは長いようで、短いものになるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
菊池の1年目は32先発して6勝11敗、防御率5.46、2年目の今季は9先発で2勝4敗、防御率5.17。同記事ではまず、菊池の2年間について「メジャーリーグの投手とは思えないほど未知数のままだった」と総括。
その中で1年目は日本からの移籍での戸惑いに加えて、父の逝去、第一子誕生と家庭環境の変化もあって致し方ないとしたものの、今季は「ルーキーシーズン以上に安定していなかった。マリナーズが29歳の左腕に期待しているものが何かを、説明することは不可能である」と厳しい評価を下した。
エース左腕のマルコ・ゴンザレスとの二枚看板を期待されて3年4300万ドル(約44億8000万円)の契約を与えられた菊池だが、「今ではマリナーズの先発3~4番手レベルでしかない」とし、彼の不振によってチームはオフシーズンに先発投手の補強をしなければならいないと、チーム戦略に大きな影響を及ぼしているとも述べた。
これだけ地元紙が厳しい論調となっているのも、菊池の金額面はもちろん、今季の期待が高かったことも要因だった。1年目の不振を受けて、菊池は昨オフにデータ会社や選手の"魔改造"で人気を集める『ドライブライン』の門戸を叩き、抜本的なフォームの見直しを行った。そしてこれは奏功し、スプリング・トレーニングでは98マイル(156キロ)を何度も計測するなど、球団首脳やファンを喜ばせていた。
しかし、「マリナーズが期待していたことは訪れなかった」。日本式の中6ローテーションを採用して環境面も整え、菊池の4シームの平均球速も昨年の92.5マイル(148.8キロ)から95マイル(152.8キロ)、カッターは86マイル(138.4キロ)→92.1マイル(148.2キロ)と大幅なスピードアップとなった。しかし上述の通り、菊池は2年連続の防御率5点台に終わっている。
同記事では「安定してストライクを投げ込めなかった」ことを原因に挙げた。菊池の投球全体のストライク率は51%、初球では50.5%と打者を追い込めず、与四球率も3.83(昨年は2.78)と平均を下回り、一度も7回まで投げられなかった。こうした数字は、二枚看板の"一角"ゴンザレスのストライク率64.3%、与四球率0.90と比較すると、かなり低いことがよく分かる。
ここまで落胆の声が続いた中、契約最終年の来季は「メカニクスと球速アップのやり方を見つけたのは好材料だった。あとはコマンドをどう改善するか」と、明確な課題を克服できれば……という、前向きな形で締めくくられている。果たして菊池は、"勝負の3年目"に光り輝くことはできるのか。オフは長いようで、短いものになるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部