プロ野球

【12球団ドラフト展望:DeNA】今年も1位指名は大学生投手? 筒香の後継者より優先度が高いのは……

出野哲也

2019.10.09

過去4年続けて大学生投手を1位指名し、全員が主力へ成長。15年1位の今永は今や押しも押されぬエースとして活躍している。写真:徳原隆元(THE DIGEST写真部)

【2019ドラフトのテーマ】
・大学生投手の1位指名は今年も継続するか
・将来性豊かな高校生遊撃手の獲得


 最後まで巨人の優勝マジック対象チームとして粘り強く戦い、日本一に輝いた1998年以来では最上位の2位に入った。もっとも、得失点差は-11でリーグ4位。ラミレス監督の采配に対しては批判も少なくないが、工夫を凝らした戦い方で実力以上の結果が出ていると見るべきで、ドラフトでさらに戦力を増強しておく必要がある。

 近年のベイスターズのドラフトはかなり傾向がはっきりしていて、2014年から4年続けて大学生投手を1位入札。山﨑康晃(14年1位)と東克樹(17年1位)が新人王を獲得し、今永昇太(15年1位)はエースに台頭するなど全員が主力に成長した。昨年も入札は小園海斗(報徳学園高→広島)だったが外れでは上茶谷大河を選択。年齢別分布図を見ても、投手陣は非常にバランスが取れている。

 ちなみに、高校生の1位入札は地元出身である13年の松井裕樹(桐光学園高→楽天)まで遡る。今年も佐々木朗希(大船渡高)にはあまり関心を示していないようで、森下暢仁(明治大)の1位入札が有力視されている。
 
 CS敗退後に筒香嘉智のMLB移籍が発表されたが、次代の主砲候補として細川成也が控えていることもあり、長距離砲の獲得は必ずしも最優先事項ではない。むしろ補強ポイントとして思い浮かぶのは二遊間だ。今季は二塁で5人が先発で起用されたが、ソトは外野がベストポジション、柴田竜拓は打力がいまひとつで、逆に強打が魅力の伊藤裕季也は守備が不安ときている。

 さらに、20代前半の若手内野手が全体に伸び悩み気味で、期待されていた大河は入団3年で自由契約になってしまった。今年は大学・社会人に即戦力候補が不足気味ということもあり、出直しというわけではないが改めて高校生を中心に指名して層を厚くしたい。幸い、地元の神奈川には森敬斗(桐蔭学園高)という逸材がいて、森下入札を匂わせておきながら実は森の単独指名を狙っているのでは……との観測もある。