プロ野球

オリックス復帰の平野佳寿が決意の丸刈り!メジャー復帰は「全く考えていない」ときっぱり〈SLUGGER〉

北野正樹

2021.02.10

平野は「伝えられることがあれば伝えるし、逆に得るものがあれば学びたい」と新たな環境への意気込みを語った。写真:北野正樹

 MLBのマリナーズからオリックスに移籍した平野佳寿投手が10日、宮崎市内のホテルで入団会見。4年ぶりに古巣に復帰し、気合を込めて髪を丸刈りにして臨んだ平野は「投げろといわれるところでしっかりと準備する。優勝するため体がボロボロになるまで頑張りたい」と決意を語った。

 記者会見場となったホテルの会場に、交渉にあたってきた福良淳一GMに続いて姿を見せた平野の頭髪に報道陣の目が吸い込まれた。短く刈り込まれ、かつての高校球児のような丸刈り状態。「決意の表れか」と聞かれ、「そのように書いてもらっていい」と、4年ぶりに愛着のあるオリックスへの復帰への並々ならぬ思いを体で表現した。

 復帰へのいきさつについて平野は、「(マリナーズで)シーズンを終えた時にはメジャーでのプレーを希望していた。しかし、世の中の状況も考えて、日本でやりたいと思うようになった」と、コロナ禍によるメジャーの移籍市場の停滞が要因だったことを認めた。それ以上にあったのは、古巣・オリックスへの愛着だ。アメリカにいても、「毎日、結果はチェックしていた」という。球団からは昨年の11月以降、常に「どうや」と動向を気にかけて声をかけてもらっていたこともあり、自主トレ、キャンプが始まった段階で新たな進路を決める際には、オリックスしか考えられなかったようだ。
 
 チームは、抑えの増井浩俊やディクソンの先発転向を描いており、抑えでの起用が考えられるが、平野は「これまで、どこで投げたいと言ったことがない。GMや監督が考えるところでしっかり実力が出せるように準備をしたい」と、チーム方針に従う意向を示した。

 世代交代を進めるオリックスの選手は若く、投手陣も山岡、山本両エースら若手が台頭している。「ここまで来た過程が違うので、こうしたら、とは言わない。聞かれたらワンポイントアドバイスをして、若手との距離を詰めたい」といい、「伝えられることがあれば伝えるし、逆に得るものがあれば学びたい」と謙虚に新しい環境に臨む所存だ。

 同じような状況で日本球界に復帰した楽天の田中将大が、将来のメジャー復帰を考えていることに対し「全く考えていない」ときっぱりと否定。「田中君に比べたら(メジャーでの実績は)全然。田中君が帰ってきたついでに平野も帰ってきたというくらいに、楽な気持ちでいきたい」と、自然体で臨む。

取材・文●北野正樹(フリーライター)

【著者プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。

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