プロ野球

【12球団ドラフト展望:巨人】菅野の後継者として育成すべく才能あふれる高校生投手を獲得するべき

西尾典文

2019.10.10

今季は精彩を欠いたが、18年は投手三冠を獲得して沢村賞を受賞した菅野。彼の後継者となるような伸びしろの大きい選手を指名したい。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

【2019ドラフトのテーマ】
・エースの資質を持つ高校生投手の獲得
・大学生外野手の指名で世代交代を促進


 原辰徳監督が復帰し、見事に5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。層の厚さでは他球団と比べて頭一つ抜けている印象だが、将来的な見通しは決して明るいとは言えない。投手陣では山口俊の奮闘が光ったが、エースの菅野智之にかつてのような安定感がなくなったことが大きな不安材料。リリーフ陣も最後までクローザーを固定することができなかった。まずは将来的に太い柱となれる人材を獲得しておくべきだろう。

 一方の野手は坂本勇人、丸佳浩、岡本和真の中軸3人が安定していることが大きな強み。しかしポジション別で見てみると、外野手の主力は丸、亀井善行、陽岱鋼とベテランが占めていることが気になる。育成枠での入団ながら、高卒1年目にしていきなり二軍で首位打者を獲得した山下航汰の存在は楽しみだが、それ以外に将来のレギュラー候補となりそうな若手が不足しているのが現状である。最低でも1人は外野手の有望株を確保しておきたいところだ。
 
 現在1位候補と見られているのは佐々木朗希(大船渡高)と奥川恭伸(星稜高)の高校生投手2人だが、この方針は大正解だろう。2008年に統一ドラフトとなってから、巨人が1位で指名した高校生投手は松本竜也(11年)の一人だけ。

 逆指名が導入される前の1980年代には槙原寛己、斎藤雅樹、水野雄仁、桑田真澄、木田優夫、橋本清と高校生投手を6人も1位で指名しており、全員がチームを支える存在となったことを考えると寂しい限りである。まずは逃げずに大物高校生に向かうというのが最も重要なことになるだろう。