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大谷翔平の「スプリッターは手に負えるものではなかった」。OP戦3回途中5失点も海外メディアは“魔球”に驚嘆

THE DIGEST編集部

2021.03.14

2度目の登板は必ずしも好投ではなかったが、随所にその才能を発揮するものだった。写真:田口有史

 収穫と課題が見えた2度目の実戦登板となった。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間3月13日、シカゴ・ホワイトソックスとのオープン戦(特別ルール)に先発登板した。初回は無失点に抑えたものの、2回はイニング途中で降板して4安打5失点。3回に再びマウンドに上がり、計2.1回で1四球6安打5失点、4奪三振という結果だった。

 中7日を空けての登板は初回、先頭の2019年首位打者ティム・アンダーソンに初球を右中間に運ばれ、二塁打を許す立ち上がりとなったが、続く打者を1球で二飛に仕留めると、昨季MVPのホゼ・アブレイユ、19年に25本塁打を記録したヨアン・モンカダから2者連続三振で切り抜ける。

 ここから立ち直るかと思われたが、2回1死から5ツール外野手のルイス・ロバートに甘く入った初球のスライダーを左翼席に運ばれ、その後は二塁打、四球、二塁内野安打と満塁のピンチ。ここでアンダーソンにタイムリーを浴び、続くヤズマニ・グランダルを三振に抑えたところで、特別ルールで降板。救援陣が走者を返して失点は5となった。3回に再びマウンドへ上がったが、被弾したロバートに今度は二塁打に加えて三盗。どうにかその後は抑えたものの、6安打5失点と満足のいく結果ではなかった。
 
 もっとも、本人は「打たれているのは抜け球か、(カウントを)取りに行っているボール。そこを注意して投げていればいい。いいボールを打たれたら問題があるが、しっかりといいボールは打ち取れる、空振りが取れるというところはあります」と、反省点と好材料も口にしており、次回以降の糧となるか注目したい。

 そして大谷と同じように、プラスとマイナスについて言及したのが、スペイン語メディア『エルイントラ・アメリカ・ニューズ』だ。同紙はこの日、大谷から本塁打と二塁打を放つ活躍を見せたキューバ出身のロバートの活躍を称賛しつつ、「結果は良くなかったけれども、2登板目もまた、オオタニが達成できることに好感触を得られるものだった」と言及している。

 いわく、制球面についてはまだまだ改善すべきところはあるものの、「最速99マイル(約160キロ)を記録した上、スプリッターは時にまったく手に負えるものではなかった」と、"魔球"の切れ味に驚いたようである。

 実際、大谷はこの日奪った4三振のうち2つがスプリッター(他はスライダー、カーブ)だった。しかもその球威は、2年連続打点王のアブレイユがまったく対応できないキレだったのだから、こうした称賛の声も納得できるものだろう。昨季は実戦登板不足でまったく投球面で結果を残せなかった大谷だが、一歩ずつ課題を克服した先に、チームと球界が待ち望むエース台頭の未来が待っているはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】大谷翔平、2度目の登板は4Kと手ごたえも。スプリッターは圧巻の切れ味
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