今月17日に迫ったプロ野球のドラフト会議。今年も多くの選手に注目が集まっているが、『THE DIGEST』ではテーマ別に有力候補を紹介していく。今回のカテゴリーは今年豊作と言われている「捕手」だ。

　プロ野球界全体は捕手難と言われて久しいが、今年のドラフトには珍しく好素材が揃った。まず上位候補と見られているのが、海野隆司（東海大）と佐藤都志也（東洋大）の二人。

　海野の武器は、何といってもその強肩。ただ地肩が強いだけでなく、捕球から送球の流れも速く、それでいて強くて正確なボールを投げられるというのが得難い長所である。二塁送球タイムは2.00秒を切れば強肩と言われる中、海野の場合は1.8秒台も珍しくなく、筆者計測の最速は1.79秒をマークしている。これはプロでも上位に入る数字だ。打撃に凄みはないものの、東海大では中軸を任されており、甘いボールはスタンドへ運ぶパンチ力もある。即戦力度で言えば、今年のドラフトNo.１と言えるだろう。
  　一方の佐藤は、アスリートタイプの打てる捕手という特長がある。下級生の頃は打撃を生かして一塁を守っており、大学日本代表でも外野を経験している。キャッチングの安定感は海野に劣るものの、打力と脚力は佐藤の方が上。打てる捕手という希少性の高さは大きな魅力だ。

　大学生で二人に負けない実績を誇るのが郡司裕也（慶応大）。大学１年秋から不動の正捕手となり、これまで２度のベストナインに輝いている東京六大学を代表する存在だ。守備、打撃とも飛び抜けた凄さはないものの、どちらも高いレベルでまとまっている。80本を超えるリーグ通算安打をマークし、投手の目玉である森下暢仁（明治大）からも２ホーマー。高校時代から大舞台の経験が豊富という点も、プロの舞台で戦うには心強い。