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プロ野球

三浦監督も「おっ」と唸るドラ2ルーキー・牧秀悟。“有言実行”で開幕一軍が射程圏内!

萩原孝弘

2021.03.20

ソト不在のピンチを見事に救っている牧。有言実行の開幕一軍、開幕スタメンが目前だ! 写真:萩原孝弘

ソト不在のピンチを見事に救っている牧。有言実行の開幕一軍、開幕スタメンが目前だ! 写真:萩原孝弘

「1年目ですけど、開幕一軍をガツガツと取りに行きたい」

 今年1月の新人合同自主トレのスタートで、ドラフト2位ルーキーの牧秀悟は、ハッキリと自分の言葉で目標を口にした。そして言霊が力となったのか、キャンプから現在まで一軍でのアピールに成功している。

 横浜に帰ってきてからのオープン戦では、5日のオリックス戦で山本由伸の初球151キロのカットボールをセンター前ヒット。9日の日本ハム戦では2番に入ると、初打点を含む猛打賞の活躍を見せ、翌10日の同カードでは上沢直之からもヒットを放った。パ・リーグの開幕投手から見事に結果を残し、14日の楽天戦ではあの田中将大からマルチと、新人離れした打撃を披露している。

 牧は「1球で甘い球を仕留めるのが持ち味」と自身のバッティングを分析し、「長距離をバンバン打てるタイプではないので、率を残したい」と語るなど、コースに逆らわず、広角に打てるスタイルがセールスポイントではある。一方、大学日本代表で4番を務めたパワーも備え、紅白戦では豪快にスタンドへ運ぶ姿もあった。

 同時に「三振することが嫌い」と公言。オリックス戦では2試合で計5三振を喫したことを悔やむと、「いいピッチャーの何試合か通してもほとんど来ない甘い球を見逃したり、打ち損じていた自分がいた」と、積極的な打撃を取り戻し、その後の活躍につなげたようだ。
 
 選球眼も持ち味で、17日のソフトバンク戦では3四球。ケースによっては進塁打もしっかり打て、「やったことのない」2番中心の起用でも、そつなく仕事をこなす野球IQの高さも牧の魅力の一つだ。フレキシブルな戦術を用いる“番長野球”にはうってつけの存在で、「打席での間合い、雰囲気に『おっ』と感じさせるものがある」と三浦監督も目を細める。

 DeNAは開幕に外国人選手が来日できないことが決定している。選手たちにはキャンプ終盤には聞かされており、「そのぶん打席や守備でもチャンスをもらえる。自分からしたらいい方向」と目をギラつかせる。本来であれば一塁&二塁をこなすチームの主砲、ネタフリ・ソトがいるため牧の出場は厳しいと思われていたが、来日の遅れが強烈な追い風となっている。

 長野出身で、入寮には理容室を経営する母に髪を整えてもらい、祖父の作るリンゴをこよなく愛するナイスガイは、目標の開幕一軍をさっとクリアし、開幕スタメンまでを手にできるのか。その答はもう目前まで迫っている。

 取材・文・写真●萩原孝弘

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