３月20日に行なわれた第93回選抜高校野球大会の第３試合で、東海大相模と東海大甲府が対戦。延長戦に突入する好ゲームの末、１対３で惜しくも敗れた東海大甲府の村中秀人監督が、センバツ史上初の“東海大系列対決”を振り返った。

　単なる系列対決というだけでない。東海大相模は村中監督の母校であり、また、かつて指揮も執った所縁の深いチームだ。それでも、「相手が母校ということは意識しなかった」と語り、「本来であれば、２対０で勝てた試合」となによりも敗れたことのほうが悔しかったという。

　延長11回を123球で投げ抜いたエース、若山恵斗の調子は決して悪くなかった。だが、７回に先制点を許したパスボールが「良くなかった」。そんなほんのちょっとした隙がここ一番で出てしまったことが、勝敗を分けたという。
  　また、東海大相模の先発が予想していたエースの石田隼都ではなく、石川永稀だったことにも意表を突かれたという。石田対策はしっかりとしていただけに、データのない石川相手に打線が苦慮した。また、９回からリリーフで登板した石田にしても、「その時から数段ボールが良くなっていた」という。

　だがそんななかでも、今回初めて甲子園の土を踏んだ若山が、しっかり投げてくれたのは収穫だったと話し、「気持ちが強く、どんな舞台でも投げられるという証を見せてくれた」とエースを絶賛。「よく頑張ってくれた」と労った。

構成●SLUGGER編集部