昨シーズン、ブルージェイズのホーム・ゲームは、傘下の3A球団の本拠地、ニューヨーク州バッファローのサーレン・フィールドで行なわれた。本来はカナダのトロントにあるロジャース・センターが本拠地だが、アメリカからブルージェイズとその対戦チームが国境をまたいで移動してくることで新型コロナウイルス感染のリスクを高めてしまうとの理由で、カナダ政府から使用の許可が下りなかったのだ。30球団のうち、唯一アメリカ国外に本拠を構える球団の悲哀と言うべきか。
ロジャース・センターの使用禁止は、現在も解除されていない。ただ、今シーズンを迎えるにあたり、ブルージェイズが本拠地とするのはサーレン・フィールドではなく、スプリング・トレーニングを行っているフロリダ州ダニーディンのTBボールパークだ。ブルージェイズのホーム開幕シリーズは4月8~11日のエンジェルス戦なので、大谷翔平もこの球場でプレーすることになる。
サーレン・フィールドがあるバッファローは、クリーブランドやデトロイトの北東に位置する。昨シーズンのような7月下旬の開幕ならともかく、4月はまだかなり寒く、雪が降ることもある。そこで、温暖なフロリダのキャンプ地に白羽の矢が立てられたのだ。
だがブルージェイズは、シーズンを通してTBボールパークを本拠地とするわけではない。ここから考えられる選択肢は3つ。「TBボールパーク→サーレン・フィールド」「TBボールパーク→サーレン・フィールド→ロジャース・センター」「TBボールパーク→ロジャース・センター」だ。
暖かくなれば、TDボールパークよりもサーレン・フィールドが好ましい。ブルージェイズが所属するア・リーグ東地区の他4球団のうち、レイズの本拠地はTDボールパークのそばだが、あとの3球団はサーレン・フィールドの方が近く、移動が短くて済む。もちろん、新型コロナの感染状況によっても変動する。ロジャース・センターの使用が早めに許可された場合は、サーレン・フィールドを経ることなくブルージェイズは本来の本拠地へ戻る。『カナダからの手紙』ならぬ「カナダからの許可待ち」といったところだ。
今季のブルージェイズは現役最強リードオフマンのジョージ・スプリンガーや、19年にMVP投票2位に入ったマーカス・セミエンなどを獲得する一大補強を展開。5年ぶりの地区優勝へ意気上がるシーズンとなっている。もしそれが達成されるとなれば、やはり仮の本拠地よりは、ロジャース・センターの方が望ましいだろう。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
ロジャース・センターの使用禁止は、現在も解除されていない。ただ、今シーズンを迎えるにあたり、ブルージェイズが本拠地とするのはサーレン・フィールドではなく、スプリング・トレーニングを行っているフロリダ州ダニーディンのTBボールパークだ。ブルージェイズのホーム開幕シリーズは4月8~11日のエンジェルス戦なので、大谷翔平もこの球場でプレーすることになる。
サーレン・フィールドがあるバッファローは、クリーブランドやデトロイトの北東に位置する。昨シーズンのような7月下旬の開幕ならともかく、4月はまだかなり寒く、雪が降ることもある。そこで、温暖なフロリダのキャンプ地に白羽の矢が立てられたのだ。
だがブルージェイズは、シーズンを通してTBボールパークを本拠地とするわけではない。ここから考えられる選択肢は3つ。「TBボールパーク→サーレン・フィールド」「TBボールパーク→サーレン・フィールド→ロジャース・センター」「TBボールパーク→ロジャース・センター」だ。
暖かくなれば、TDボールパークよりもサーレン・フィールドが好ましい。ブルージェイズが所属するア・リーグ東地区の他4球団のうち、レイズの本拠地はTDボールパークのそばだが、あとの3球団はサーレン・フィールドの方が近く、移動が短くて済む。もちろん、新型コロナの感染状況によっても変動する。ロジャース・センターの使用が早めに許可された場合は、サーレン・フィールドを経ることなくブルージェイズは本来の本拠地へ戻る。『カナダからの手紙』ならぬ「カナダからの許可待ち」といったところだ。
今季のブルージェイズは現役最強リードオフマンのジョージ・スプリンガーや、19年にMVP投票2位に入ったマーカス・セミエンなどを獲得する一大補強を展開。5年ぶりの地区優勝へ意気上がるシーズンとなっている。もしそれが達成されるとなれば、やはり仮の本拠地よりは、ロジャース・センターの方が望ましいだろう。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。