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メジャーで8人しかいなかった優秀過ぎる数値。MLB公式がサイ・ヤング賞のダークホースに推挙する菊池雄星の“変化”

THE DIGEST編集部

2021.03.25

マリナーズでメジャー3年目を迎える菊池。その変化が現地でも注目されている。 (C) Getty Images

 菊池雄星の"大化け"に期待の声が上がっている。

 メジャー挑戦2年目の昨シーズン、2勝4敗、防御率5.17と期待を裏切る形となった菊池だったが、このスプリングトレーニングでは好調を維持。現地時間3月20日に行なわれたインディアンスとの練習試合では4回2/3を投げて4安打1失点、7奪三振と好投し、スコット・サーバイス監督からも「抑えるために速球をどう使うべきかを考え、球速も上がっていた。素晴らしいピッチングだった」と太鼓判を押された。

 メジャー3年目となる29歳のサウスポーには、MLBも小さくない期待をかけている。現地時間3月23日に公式サイト『MLB.com』は、「サイ・ヤング賞の候補に挙がるこの10人を見逃すな」と銘打った特集記事を掲載し、菊池をダークホースの一人に挙げた。

 アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞候補者は、シェーン・ビーバー(インディアンス)やゲリット・コール(ヤンキース)、ルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)など群雄割拠だ。そうしたなかで「ダークホースが現れて賞を奪い去る可能性は常にある」と綴り、菊池を推した。

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 記事では、菊池を推挙した理由として、1年目からの"変化"を挙げている。

「日本からやってきた当初のキクチは大荒れで、MLBには適していないようにも見えた。事実、彼の2年間での防御率は19年が5.46、20年が5.17と決して良いとは言えないものだった。しかし、少ないサンプルではあるものの、改善点も見られている。1年目と比較してストレートの球速が平均2.5マイル(約4キロ)もアップし、空振り率も2倍に上昇。さらには効果的なカッターを持ち球に加え、改良したスライダーでの空振り率も劇的に上昇している」

 改善点を強調したうえで、「キクチは入団1年目とは完全に異なった投手となっていた」とした『MLB.com』は、昨シーズンの菊池が、ゴロ率50%以上かつ三振率24%以上を記録した、メジャー全体でも8人しかいない投手だった事実を紹介。さらにFIP(3.30)やxERA(3.37)といった疑似防御率はいずれも優秀な数値を記録した点から、「制球力がさらに向上すれば、彼は一流の先発投手として活躍するはずだ」と結んだ。

構成●THE DIGEST編集部