高校野球

「自分自身と戦っているような最悪のピッチングだった」大会ナンバーワン右腕・小園健太が感じた悔しさと手応え

SLUGGER編集部

2021.03.26

今大会でも最注目の小園は2回戦で姿を消すこととなったが、さらに大きくなって夏の甲子園に戻ってきてくれることだろう。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 第93回選抜高校野球大会7日目、第3試合。最速152キロを誇る超高校級右腕、小園健太を擁する市和歌山は、明豊に敗れて大会から姿を消した。この試合では5回からリリーフで登場した小園が、試合後に自身初の甲子園を振り返った。

 1回戦の県岐阜商戦では大会一番乗りで完封を記録しただけに、この試合で小園が先発しなかったことは意外だったが、本人は「驚きはなかった」という。この先トーナメントを勝ち上がっていくためには、自分がずっと投げて抑えるわけにはいかないと、半田真一監督にも言われていたからだ。
 
 130球を投げた1回戦の翌日は疲労感もあったが、今日はそれほど疲れを感じていなかったという。それだけに、その出来には不満が残った。「5回の立ち上がりはストレートも走っていたし、変化球も良いコースに制球できていたので、とても良かった。でも、その後はストライクを入れるのに苦労して、自分自身と戦っているような最悪のピッチングをしてしまった」と悔しそうに振り返る。先発した米田天翼が好投したこともあり、7回に決勝点を与えた際は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。1回戦と同じく、「ストライク先行のピッチングができなかった」ことが悔やまれた。

 それでも手ごたえはあった。「決め球のスライダーを打たれてしまったが、チェンジアップでは空振りが取れたし、ツーシームもいいところで曲がってくれた」。夏に向けてさらなる武器を手に入れた。

「今日の悔しさを絶対忘れず、夏に向かって自分がエースとしてチームを勝たせることができるようなピッチャーになりたい」。世代ナンバーワンと称される右腕は、気持ちを新たに最後の夏を目指す。

構成●SLUGGER編集部

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